サン・オーディオの 真空管プリアンプキット SVC−200を造って遊ぶ
2006.6.5
エレキットのプリアンプ TU−875を造って 球のプリアンプの音に 何か触発されるモノを感じました。
愛機である アキュフェーズのプリアンプC222に比べて レンジは狭いし 音場は混濁するし左右の広がりは少ないし
中低域にピークはあるけれど、 音の活きが違う。ダイナミックな低域 厚みがあって美しい高域 色っぽいボーカル、もっとグレードの上の
球のプリであれば もっと良いはず!と思いだしました。エレキットはラインアンプ部は球一つで 左右の音の分離に
ちょっと問題ありなのが惜しい。

友人(彼のメインはマランツ#7)に借りたマークレビンソン ML−1Lの鮮明で彫りの深い音。一つの世界を
構築している、あの領域の音には及ばないだろうけれど、高域のしなやかさや 活きの良さで 勝負になる部分もあるのでは?

それで 購入したのが このキット 実売価格 6万円未満。 充分に使えて 遊べるベースとなりそうです。

初心者が思いつきやお遊び感覚で楽しみますので無茶苦茶なことをするかもしれませんが お許しを。

経験の少ない方が、キットを造ろうか?と考えられた時、多少なりとも参考になれば と思いページを作ります。
お求めやすい球プリアンプが 素晴らしい音を出せて流行ってしまったりして・・
そんなことを妄想しております。



これが サン・オーディオの SVC-200
秋葉原のお店に行って 聴かせてもらいました。
アルテックのモニターは床においてあり中低域がかぶって 
ちょっとブーミー。JBLの4318が思いの外良い音
で鳴っています。アキシオム80は別世界!

社長さんはとても気さくで 色々とソースからアンプを選ばせ
聴かせてくれました。音場より 音色 音の濃さ重視の音です。

数年前、真空管オーディオフェアで、300Bppで駆動する JBLS4800は
大変好みで惚れ惚れしました。現SPはその経験に触発されて
作りました。

SVC−1000の方が濃厚で厚みがあって SVC−200はちょっと
中域が強めに感じました。基本的に自宅で聴かないと 音は分からない
ですね。
他のキットを調べたりして パーツと私の予算から選択しました。
今は とても満足しています。

激安 デジタルアンプ(テクニクスXR55)にやられっぱなしの我が家の
アナログアンプ陣ですが 果たして一矢報いることができるのか〜!?
これがキットの中身。結構ゴージャス。

既に ボリュームやセレクター類、そしてラグ板とうは
装着されている。

シャーシー加工 穴あけがされているのはミニワンを
思い起こせば 本当に楽であります。

トランスが結構大きくて 嬉しい。
別の箱に入れたり シールドした方が良いのでしょうけれど・・

この箱の大きさ 余裕がミソ で 後から色々と回路変更
改造して楽しむ様に設計されているのだと思います。
裏側。
入力数も豊富。ACコンセントはあまり要らないかなぁと思います。
だって自分で配線したから不安なんだもの(笑)

実態配線図。
私は初心者ですから パーツがどんな働きをしているか
分かりません。
最初に当惑したのが CRユニット 何じゃ?

どうも電源スイッチの横にとりつける 箱のようです・・
(この程度の知識でも作れます)

エレキットみたいに初歩の初歩はないけれど
一度何かキットを作れば たぶん大丈夫です。

線材 から ハンダまで 全てが付属しています。
必要なのは ハンダごて ハンダ吸い取り 良質なニッパー
できればワイヤーストリッパーかカッター ラジオペンチ
ピンセット 後はドライバー くらいでしょうか。

線材は 私の場合ちょっと足りなかったです。
できれば少し余計に買っておくと良いかもしれません。


朝9時、さあ 作るぞ〜

青年の休日としては最高に楽しい。
私はせっかちなので 朝早く起きて その日に作ろうと
しましたが これは×でした。正直 疲れますし 急ぐと
仕事みたいで楽しくありません。

個人的思いでは2日に分けて作るのが 良いかと思います。

それと 青年になると 目が見えないんですね。
私は老眼ではない と思ってきましたが・・・

老眼か でかい虫眼鏡の準備をしておくと楽でした。


最初はAC電源まわり それから右の電源ユニットを
作ります。ここまでで2時間ちょっと。
私は電源まわりのケーブルは 細いのでは?と
思って カナレのSPケーブルをほぐして使いました。
そしたら ハンダ付けで被覆が溶けました(笑)
これが ダイオードを使った 電源部。
途中から チューブで被覆しました。
始めから4時間くらい経過。

要らないトランスの配線はもっと綺麗に
安全に処理すべき?

エレキットと違い パーツの実在感があって
雰囲気がでます。 

ニタニタ・・・ ここで嬉しい貴方は クラフト系デスネ!?
さて ここからが 思いの外大変だった シールド線の
配線です。
入力端子>セレクター>バランスボリューム>
ボリューム の準に信号が流れるのが分かります。

それでシールド線を使うのでしょうけれど これを剥くのに
一苦労 剥いて処理するのも面倒 そして 端子にハンダ付け
するのに苦労 と初めての経験なので大変でした。


終わった後から思うのですが、ここって 最も配線が大切な
ところなんですよね。 後で気になるんです。自分のいい加減さに。
しっかりと接触させてからハンダ付けしなかったのを
後悔しています ううっっ

「私はハンダの音を聴いているのかも」ってね


注意! セレクターの配線は制作の図と微妙に違います。
私は後で全部やり直しました。
簡単ですから テスターで表示と導通が一致しているか
確認してからハンダ付けすると良いでしょう。
夜の9時、スタートから12時間で やっと配線が終わる。

やる気と集中力が切れてきて 配線の綺麗さとか 気にしなく
なる。汚い配線でお目汚し失礼します。

さて テスターで電圧を測って 今日は良い音に
酔いしれるぞ〜!

と思ったものの・・
どうも電圧が全然違う。
テスターの先のところは 大体あっているけど
その先の出力側では 何と電圧が2倍近い。

おかしいなぁ・・
コンセントの周囲の電圧やトランスの出力は正しいのに・・

ダイオードの接続が逆? とか お世話になっている人に
聞いたりしました。
ネットを開いて ここで初めてダイオードとは?とか
勉強を始める・・・

あれっ ダイオードの後も テスターのACレンジで
測定していました。こんなことも分からないんですよね。
最初は。

その後 バランスバランスボリュームの配線に間違いがあり
ましたが 無事発見でき 15時間経って やっと完成しました。

とても嬉しい!
ビールで乾杯! 
音は 低域たっぷり 雰囲気たっぷり 音の濃さ 特濃。
輝いて 美しい音に 酔いしれました。

掲示板にアップした制作時の模様

キットはクラフト分だけでもお得です。
翌日になって 音を聴きます。

あれ〜 ボリュームを触るだけで マイクロフォンに触るくらい
音が出るんです。ボリュームの大小にかかわらず。

これでは 響きの良い音がする筈です。

社長さんに電話したところ「マイクロフォニックノイズで 高信頼管に
換えればOK」とのことでした。

早速手持ちの12AU7を引っ張り出します。

右端がmeiteiさんのKT88に装着されていた
Jan philips 6189W これでピタッとノイズがでなくなりました。
左は スベトラーナのKT88を購入した時 kojima355さん に
頂戴したアメリカ製CBSの7318 これもマイクロフォニックノイズは出ません。
音は低域がしまり 高域が強くなります。
左から2番目のオリジナルの球はどうも交換した方が良さそうです。

右から2番目のはエレキットに付属の球。フィリップスで右のと同じ傾向

これから球を換えて楽しんでみます。

制作して2.3日後

キットをつくると 配線図を見るのが苦痛でなくなります。
何となく分かってくるから不思議。
これはプリント基板のキットと大きく違うところ。

部品点数も少ないので 配線図を見るのもイヤだった私ですが
悪い体質が目覚めてきます。

そう パーツ交換遊び。
ミニ四駆を買うと 効果はどうであれ 交換したくなりますよね。
あれと同じレベル。

カップリングコンデンサーを交換したり バイパスコンデンサーを
交換したら? と妄想が膨らんできます。

ちょうどKT88用に購入した OSコン(数値がぴったり同じ)が
あったので夜中の12時過ぎに交換してしまいました。
夜中ですので 0,001Wの試聴。
フィリップスの球を交換した時に比べこのコンデンサーを
交換した方が音の差が大きかったです。

少しモワッとして 高域の張り出しが少ないのが
気になっていましたが、低域が閉まり(当然量感は減る)
高域の量が増えました。最初は音が荒い感じですが
何だか良さそうです。

改造遊び これだから止められません。
我が家のシステムです。

ここ数ヶ月、テレビの上(しっかりと置いてあげない(笑))の パナソニック 
XR55 3万円 に翻弄されていました。
こんなに安いのに 音が明瞭 歪み感が少なく 低域の音階も分かり易い。
声の美しさは3極管シングルアンプ並。

音場の広さ 音量の大小にかかわらず高域から低域までの
音の統一感には本当にまいりました。是非 一家に1台 デジタルアンプ、
リファレンスになります。
私は シングルの球アンプの低域の緩やかさを気にしていたので 辛かったです(笑)

高域はアナログアンプの美しさ 繊細さにまだ及ばない感じ
そして 低域の迫力も弱いです。 ただコストを考えると電源の強さも
それなりでしょうから アナログ陣の旗色悪いです。
アナログアンプを擁護するばかりの自分が情けない。

今回 SVC−200がある程度なりだして ほぼ 多くの面で
XR55を上回った気がします。安心して 出勤前に1曲聴けます。
デジタルアンプだと音がスッキリし過ぎて聴き応えが少ないのです。

球のプリ 音が多少滲む感じがしますけれど とても心地よい音です。
音が濃厚 雰囲気があって 音が活きている。
高域の美しさはCDとレコードの差とでも申しましょうか素晴らしいです。
ML−1Lもビックリ。

願わくば もっとSN感を上げ 金属の硬さが出て 音場の透明感
見通しの良さ そんなモノを出せないか トライしてみようと思っています。




  12AU7を交換してみる
(2006,6,15)
アメリカの球とヨーロッパの球の違いを知る
ヤフオクで何気なく見ていましたら ある球に反応してし
まいました。出品者の方の説明がとても丁寧。
そして評価もよい。ベテランの方だと拝見しました。
http://openuser.auctions.yahoo.co.jp/jp/user/denden95?

それで購入させてもらったのが このBRIMARなる13D5
12AU7です。
60年代のイギリスの球だそうです。

この方は他にも出品されていまして 音やその他質問させて
いただきました.

 「PINNACLE、DUMONTと言うメーカーのも
あるので 送るから聴いてみて良かったら その中で買って
もらえばよい」とのありがたいお話。

それで集まったのがこれです。
PINNACLEは 13D5の高耐圧版で 高性能だそうです。
製造はMULLARD とも言われているそうで 期待できます。

DUMONTはイギリスのブランドでこれも60年代の球だそう
です。
中の構造はそれぞれが微妙に違います。
次の画像の
だとよく見えませんが CBSのは電極が黒いです。
形は DUMONDに似ていて穴が3個。
一番右のフィリップスは電極の高さが高い



さて 音を聴きます。

最初は音が閉まって にじみが少ないCBS
もう これで充分では?と思います。もう少しダイナミックな
感じ 低域のレンジ 馬力が欲しい。

その後 フィリップスにします。
直ぐに分かる ゲインの高さ 低域のボリューム感たっぷり
音は若干滲みます。エージングで良くなりそうです。
高域も派手になって オーディオ的にハイファイ やや
ドンシャリ?
これはこれで 良いのですが どうも滲む感じが気になる。

さて BRIMARにしてみます。

エージングも無く直ぐに聴く。結構高域が綺麗 良く出ている。
低域も膨らんでいるけど フィリップス並に元気
かといって パトリシアバーバーの低めの声が緩くなるか
と思えばそうでもない。
まあ でも最初は

 それぞれが良いなぁ

でした。

それで オリジナルに付属している、EIを使ってみます。
この球だけが マイクロフォニックノイズが出る。
ただ 音が重なるからか なかなか艶やかで ワイドレンジ
音の広がり感が感じられる。
色づけがダントツに濃いけど 素敵な音です。

こう 思っている間に だんだん分からなくなってきて
どうでも良くなってきました。
大体この様な比較試聴は 3種類までが限界ではないで
しょうか?



こうやってプリを前にだして 球の交換がし易いように
して聴いています。
色々なCDをかける。

CBSもいいなぁ フィリップスもいいなぁ
できれば正確に判断して 冷静かつ忠実に判断しよう
と思うので 大変疲れてきます。そのうちどうでも
良くなってきました(笑)


分からなくなった中でも。BRIMAR、
どうも この音が良いのです。
レンジが広いんです。何よりも 高域が美しい。

ご覧の MJQのCD、鮮明な高域が再生されると

 「今まででもっとも 高域が美しくしい!」

と感じられたのです。ビブラフォンがちょっと細くなる
ものの シンバルや弦がこの上なく美しい。そして
ホールにこだまする オーケストラの反響がよく分かる
感じ。 そう 音場感がよいのです。

 キースジャレットの inside out お気に入りの
5曲目のバラードをかける。

いや〜 最高! こんなに繊細で微粒子 なおかつ音が
美しいのは 過去に無かったのでは?
ドラムのまわりの空気が再現されている感じ。シンバルの
上を舞うブラシが見えるが如し(JARO無用)。

ワイドレンジ 高域の伸びが気持ちいい。快感だ。
この音は球のプリアンプならではでないでしょうか?

ライブなのでノイズが入っているのですが、今まで
気づかなかったノイズが分かってしまう。
1分17秒の女性の声 1分23秒のノイズ
5分13〜16秒のいすの音? 5分52〜54秒の
観客の声
こんな音が入っていたのか・・・ それが分かるんだけど
実際の演奏がスポイルされることは無い。

 立川一 高音が美しい音

であります(笑)

今回は、音色のみならずクオリティーが変った様です。

満足度が高く  他の球は今は要らない。コンデンサーの交換も
しないでOK 充分に満たされた。そんな感じがしました。


SVC−200を買って 本当に良かったです。


 SVC-200で遊ぶ 2006.7.20 ハム対策 球交換 カップリングコンデンサーを交換
球を交換してノイズは大きく減じることができましたが
ハム音が消えません。深夜の0,01Wオーディオでは
気になります。

ネットで検索しましたら
こちら様のHP
にSVC−200のハムノイズに対して 対策されているのを
発見しました。

早速 真似させてもらいました。450V 22μFの電解コンデンサー
を追加します。
そうしましたら ハム音は ピタっと止まりました!
ありがとうございます。

これでノイズ的には満足できるプリアンプになったと
思います。
音の良さは 先日のオフでも
meiteiさんのプリアンプや私のアッテネーターに対して
鮮烈で若々しく きれが良くて美しい音だと評価されたと
思います。
聴くのが楽しくなるプリアンプです。
ヤフオクで購入させてもらった 12AU7 ヨーロッパ版
一番左のPinnacleはスペックも一番上なので安心して
使っています。
SNが良く ノイズガ少なく 音がカチッとしていてそつない。
美しさ 伸びやかさ 弦のまとまり GOODだと思います。

真ん中が その前 炸裂する鮮烈さで気に入っていましたが
ノイズガ出て 交換してもらった BRIMAR。

右が 60年代の英国 DUMOND
これを聴くと アメリカフィリップスには戻れない感じ

一応もう一回聴き比べてみました。
左から PINNACLE BRIMAR DUMOND
プレートの高さはPINNACLE と DUMONDが同じく短い。
横のスリットは BRIMAR DUMOND が3本。

これでどこのOEMと似ているか推察できるのかもしれません。
私は全く分かりません。

短いプレートの方が 高信頼性?
高いプレートはゲインが高い?

適当なことを書くと笑われるので止めます(笑)

音はDUMONDがちょっと柔らかく 鮮明度が低い感じ?
中低音にちょっと混濁がある感じ。

PINNACLEはSNが高く カチッとしている。ちょっとおとなしい。
まとまり過ぎているかも。低域もちょっとおとなしい。
それに対してBRIMAR、鮮烈で切れ上がり中高域が抜けるる爽やかさ。
パイプオルガンのふるえは3本の中で1番。ライブ録音のノイズ 広がりも
BRIMAR。ただ ちょっと音楽的にSNが悪く 粒子が粗い?
五嶋龍さんのピアノの艶 飛び散るアタック音の元気さに惚れ惚れする。

SVC−200の明るく 元気 爽やか 抜けきる音に BRIMARがマッチする
と思われ 今回選択しました。エージングが進むとより良くなりそうです。
SVC−200をお持ちの方、12AU7をお使いの方、何か分かりましたら
お教えください。 私の球で良ければ 貸し出しします。

メールでなく掲示板に書いてくださると嬉しいです。
若松通商に購入した フィルムコンデンサー
カップリングコンデンサーを交換すると音が大きく変化するので
楽しもうと思っていました。

ただ PINNACLEを使い出した頃から 音に満足して 交換が
億劫になってきました。たぶん 気持ちの中で バランスを崩したく
なくなっていたのでしょう。

下の東一電気の スズ箔を使ったコンデンサー。
1個2600円也

もう一つのもありますが 球を3種類交換して聴き比べただけで
疲れましたので戦意喪失です。
さて 音は?

おお ハリーベラフォンテのライブで ギターの低域が豊か
音がまろやか。やや低域にバランスが向いた感じ。
滑らかで 刺激的な音が少ない。ゴージャスな音

でも 何だ違う。私のSVC−200に求めている若さ
弾ける活きの良さが 減退した感じ。
五嶋龍さんのバイオリン ピアノの硬さはまあまあ なれど
バイオリンの音の煌めきが減った感じ。

30分で戻してみると  そう 全然 ノーマルのが良い。
たぶんエージングをすると違ってくるんでしょうけど 
生理的にASCの600円の純正が良いと判断。
たぶん間違いないでしょう。

中高域が強く ギスギスする音が気になる方には
このコンデンサーも良いかもしれません。
仕事がらみでこんなのを買いました
2700円。ロー眼になってしまったのだ・・・

それにしても たった2時間でこんなに遊べる。
キット クラフトは 面白いです。
車の遊びで言えば キャブのジェット交換したり 点火時期を
調整するに似ています。
調整したからって 大排気量のインジェクションエンジンになるのでは
ないですが、エンジンセッティングの面白さはバッチリ味わえる。
やったことがある方は分かると思います。 車の改造遊びで一番面白いのは
エンジンと言われています。

SVC−200はお値段も手頃だし、球交換も安い球で遊べますし
肝心の音が大変良いです。球の音の良さも体験できる。
大のお薦めです。 買われましたら 情報交換しましょう。

また 「そんなプリアンプ 話にならん」と思われる方がいらっしゃい
ましたら どうか私に聴かせてください道場破り 大歓迎です!



kitatanuki さん 宅に お邪魔する 2006.8.13 SVC−200がどうなるか、アキュフェーズの旗艦C−280L
と聴き比べ、道場破りです。
初めてお邪魔する kitatanukiさんのご自宅。
私の家から近い。

最近ジャンクで4343を手に入れ ダメなウーファーを交換
したり 色々とてを加え始めたばかり。
まだ音は調整中。

ミッドバスは既にオリジナルは取り外され 4344の
ミッドバスに取り替えされています。
難しいと言われた4343 上手く鳴っていないのを良く聴く
4343.自宅に入ると やはり往年の名器 名だたるJBLの
4wayを入れると嬉しいとのこと お気持ち分かります。

その上は アルテックの414を使った メーカー製箱からの
大改造モデル。ビクターのスコーカートパイオニアのホーンツイーター
でつながりが良い。さすがネットワークを試行錯誤されている方は
違う。414のシステムは驚くほど低域がダイナミックでした。

コントロール系
kitatanukiさんは クラシックのオーケストラが主体。音は
全面に張り出すより 美しく綺麗に分解し それが前後左右に広い空間
を伴って鳴り響くことを目指しています。
ですからジャズでかぶりつきの音とは違う。かといって遠くて モワッと
した音が好みではなく 超ハイファイがお好みです。弦楽器が五月蠅くなる
のをキライ 2420はかなりレベルを下げていました。
後から聞くと 確かに下げたくなる。これが エネルギーバランスはフラット
だけど 気に障る音がするのが難しいところでしょう。

さてプリアンプはアキュフェーズ、CDPはラックス、惚れ惚れしたのは
アキュフェーズのFMチューナー 物欲がビンビンに触発される素晴らしい逸品。
FMのライブはデジタル録音しない為にCDより遙かに生々しい音がしますが
それを聴くための武器だそうです。実際にNHKのライブがあり 納得。

このプリに 我が SVC−200で挑むのか・・・

鳴っている音を聴いて難しい予感がしました。
kitatanukiさんは クラフト 改造系?

ユニットだろうが アンプだろうが ネットワークだろうが コードだろうが
自分で気になることは 手を出して好みに変えるタイプ。
このおびただしい(笑)コードの数をご覧ください。実際に 自作ケーブルを
使わせてもらっていますが 素晴らしいです。エネルギーの減衰が少なく
ソリッドでストレート。振動しない 抵抗少ない これが基本とみました。

横には バッフルがあったりして 「20cmのJBLをミッドバスに使いたくて
トライしたものの、能率が低くて使えなかった」
この行動力には感服します。

さて 気になるウーファー。すでに TADの1601b ALTEC416−8C
その他を装着したそうです。 ご覧のウーファーは私もしらないビクターの
ウーファーで 4343にはあう音だと思います。ウーファーが勝り気味なのと
コーナーに置いてあるので 低域が盛り上がり ウッドベース等がふくらんで
しまう傾向にあります。その分 オーケストラの低域は申し分ないです。
パイプオルガンも大太鼓も大迫力!
パワーアンプ
上が正体不明のdbxのアンプ 4CHをブリッジで使っているので
500Wはある。体積の殆どがトランス電源類。 
下がTOAの300W これまたでかい。こっちはちょっと低域が
dbxより弱いとのこと どちらも良い音がするそうです。

kitatanukiさんは アンプは大パワー石アンプがお好き。
「低域のしまり エネルギーの制御 そして中域以上にまで
余裕でねじ伏せる 大パワー石アンプがよい」との意見。
私は球アンプの音が 良いと思っていますのでそれを確かめにきました。

一言で言えば 「この部屋で聴かれるソースを 4343鳴らすにはおっしゃる
とおり」であります。4343でなくてもこの部屋でなくても dbxのアンプの
音には惚れました。 静かな時荒い? うんにゃ そんなことありません。
艶やかで 繊細 透明感があって優しい そして 低域の量感としまりは
申し分ない。ならば 最高?
これが かぶりつきジャズや ボーカル 小編成の楽器で 鳴りっぷり
響き 雰囲気を 重視する場合は違うかもしれません。

オーケストラの会場の空気感 揺るぎない音を求める方には
この パワーアンプの能力を高く評価されると思います。
我が家でも一度鳴らしてみたいですが・・あまりにも大きく重い!
道場破り

SPのレベルを調整したりして その後 アキュフェーズの280Lと
交換。
エレキットの TU−870.
これが元気 ブンブン鳴ります。ナローレンジ
っぽいですが ここではマッチ。中低域の上が盛り上がるのがちょうど
SPと合っています。
クラシックの広大な音場を求めるには×ですが、ジャズやボーカル
を小音量でならすには 結構良いです。

サン・オーディオ SVC−200(球はBLIMAER)

エレキットに比べるとフラットで 低歪み 優しく 爽やか。
ただ アキュフェーズの280Lに比べると 何か音にベルベットでも
被せているのか 独特の音色を感じます。粒建ちより 衣擦れの音とでも
申しましょうか。高域がちょっと鮮烈繊細系に調整されていると思いましたが
ここではそれ程感じませんでした。ホーンからの音が優しくなり 聴きやすくなる。
でも クラシックの音場 分解を求めるのであれば C−280Lでした。

う〜ん  初戦から 敗退か?(笑)

(内緒の話ですが 音色は美しいよ!美音なのだ)
オーディオスペースの KT88 プッシュプルアンプ。
プリメインアンプです。

見た目はとてもゴージャス。大迫力。

音は4343では低域が膨らみブーミー ホーンのドライバーの
音は優しくなるけれど 歪み感 分解能 透明感が少なく
kitatanukiさんの求める オーケストラが五月蠅くなく迫力があって
綺麗で ホールの雰囲気が分かる音 には遠い。

こちらもジャズやボーカル ポップスを楽しく 聴くのに向いていると
思いました。

球アンプ 難しいですね。 



後ほど、kitatanukiさんから バイアスがずれていて 調整したら
「ズルズルだった低音の締まりがバッチリ改善され、高音も汚さ
 がなくなってきれいに伸びた。」
「4343がチャーミングに、かつ豪快に鳴ってます。これなら
 大パワー石派の小生も、あんまり文句言えませんね。」
とのことでした。良かったです。
その後 SPを測定したり 色々と遊ばせてもらい
最後に 聴かせてもらったのが オープンリール。
若い方は見たことも聞いたこともないかもしれません。
20年も前の録音。

そう トリオの最高機種でエアチェックした FMのオーケストラ ライブ

テープ速度は19cm 

  さて その音は!?
皆様に聴いていただきたかった。

滑らか 情報量多大 歪み感極小 迫力 壮大 アナログの最高峰?

15khzしか出ていない FMの音でしょうか?
20年前の録音だろうか!

CDプレーヤーの規格っていったい何だったんだろう です。
こればっかりは 実体験をしないと分かってもらえないかもしれません。

素晴らしかった。昔から音は良かったのだ!



今回はとても良い経験をさせていただきました。私がオーケストラで
音が大きいと音を絞ってきました。でもそれは 他に問題があったのです。
実際生演奏は大きいですけれど 五月蠅くないし歪みっぽくないですよね。
エネルギーバランスを整えながら良い音をだす。大パワー石アンプの
制御能力も大切だと感じました。

横の壁からの反射が多い場合 音のコントロール そして使う機材も
変わってきます。私の家は横に壁がないので球アンプの響きも良く感じる
のかもしれません。

SVC−200は クラシックのオーケストラの超分解には 向いていないのか??
もちろん 良さも充分に感じられました。なかなか可愛い奴です。
いずれにせよ自宅ってのは 限られた世界です。 そこで良ければ良いといえますが
他の方の家で 使ってももらって比べることは かも 有益なことか!
驚きました。経験値はネットや本では得られない!
経験が無ければ比較、判断もできないですよね。

道場破りされたい方 返り討ちに合いに行きますので(笑) お誘いください。



 kitatanukiさん 宅で オフ その2(2006.11.30) 4343体育会系セッティングの成果は?
 4wayネットワーク過多のSPがアンプでどう変わるか?

 中国製真空管アンプ 
 LUX フル改造 低NFB自作アンプ
 デジタル激安アンプ

の比較試聴をしてきました。
SPはまずウーファーが515に交換されていました。
手術をされて退院した翌日から 体育会系をされていたそうで
そのエネルギーに脱帽。

TAD 1601b ALTEC 416−8C と使ってみて
結局 515−Eになってた。

ミッドバスは4343のミッドバスコーン紙に表面硬化処理
2420もマニアなら眉を顰めそうな 表面処理
その上 クラシックオーケストラ再生時には ご覧のボールによる
ディフューザー (^_^;) 

ネットワークに懲り ミッドバースのローパスは ごらんのとおり
外から変更可能


さて 音ですが

最初に聴かせてもらった時とは 大きくちがい 完成度が凄く
高まっていました。ツイーターやミッドハイが別になることはなく
上3つのユニットの音が解け合っていました。

ウーファーは前のと雲泥の差で しまりがよく 明快で快音です!
dbxの超強力アンプによる 大太鼓のボディーブロー スピード感は
球アンプの我が家では絶対に出ない音。
そうだ このために15インチのウーファーを使っているんだ と感じる
低音。参ったなぁ・・

スケールが大きく 見通しがよい。コンサートホール遠くから空気を経て
見ている感じ 分かっていただけるでしょうか?あの感じがするのです。

我が家みたいに 響きや 音の艶でなく 素直さ 分離で聴かせる音です。

個人的にはもっと中域から高域を張り出させ ボーカル ピアノ 弦を
全面に出させたいですが そうなると7畳のこの部屋で雄大にオーケストラ
を聴く楽しみが減ります。 こうなると 良い悪いでなく 個人の音の好みの差
と言えるでしょう。

自作SP ネットワークで ここまで来るのが大変なんですよね
やったことがある人なら分かるはず
ソースは 今回はレコードとCDが半々

カートリッジは オルトフォン HMC20 アームはサエク
kitatanukiさん曰く 「色々なアームを使ったけどこれがよい。
YAMAHAの純正のアームは正直使えなかった。」
私も長岡鉄男さんが来られた時にしばらく使わせてもらいましたが
アルミっぽい音と言うか個性的な音がした記憶があります。

レコードの音 素晴らしいです。アキュフェーズの280Lのフォノ部分
も良いのでしょう。SNが良く 色づけが少ない。
CDより 中域がちょっと強めで システムと音がマッチしている感じ

SACDも良いし アナログのスーパーアナログも良い。

どっちが良いとかでなく どっちも使う これが お得系 体育会系
雑食系マニア
私のCDもかけさせてもらって 大体音が分かった。

何度も書いてあるとおり 私とkitatanukiさんとは 聴くソースが
違う。好みの帯域バランスも違うのです。
それで ピアノを張り出させたい とか ボーカルを中央で凝縮させて
のびのび歌わせたい とか思いますが それは個人の差。
それより 良いところ 筋金入りの低域 とか 歪み感の少なさ
素直さ等を吸収したい。オフでは得るモノが多いのです。

さて 大体調整が終わって 音を楽しめる領域になったそうで そこで
ご自身がヤフオクで購入した オーディオスペースのKT88 ppを
聴いてみます。普段は 上の30cm3wayで弦楽器や小編成を聴いている。
4343大改を 真空管アンプで鳴らしてみる

*オーディオスペース KT−88*
どうでしょう

4343改が dbxと全然違うバランスで鳴る。弱めだった中低域の馬力
膨らみが俄然出てきて 聴きやすい。ボーカルも太く 迫ってくる。
超低域は出ていないし しまりも少ない 最高域も弱くロールオフしている。
 でも私は このバランスが好きです。音楽としても乗りが良いです。

ご自身もDCバランス調整その後 このアンプを見直したそうです。

LUX3500改 回路刷新 低NFB 6CA7 pp 

前の画像の下側に見えるアンプです。私が持ってきました。
大変音が滑らか 質感が高いです。低域は オーディオスペースに迫力が
ある感じですし ドラムのアタック音とかは負けるかもしれません。

ただ 帯域内のバランス 音の質感 滑らかさ つまり クオリティーは
かなり高いです。dbxの時のワイドレンジ感は無いですが 弦楽器が五月蠅く
ないし、何たって 中域がしっかりしていて楽器の音が綺麗。

オーディオスペースとは 球アンプとして似ていまして 質感の違い。
dbxとは 帯域バランスから違う。dbxはちょっと中域が弱く 高域に硬さが
あります。オーケストラの最低域は dbxの圧勝だけど その上は 球アンプで
音がスッキリする方向で鳴らす つまりドライバーのレベルを上げて使えば
OKではないかと感じました。
XR55 激安デジタルアンプで鳴らしてみる

さて 秘密兵器として 持ってきました デジタルアンプ。
デジタルアンプ独特の低域の音階の明瞭さ 中域の綺麗さ
そして デュアル駆動 タイムアライメントで 鳴りにくい 4343改を
鳴らして ビックリさせようと図りました。
そして しばらくお貸しして 悶絶してもらおうと・・(^_^)v


 鳴らしてみます ・・・


k「生の音とは全然違うね。 音と音の間がスカスカ
  電源トランスを大幅に改良してあげたい。」

わ「あれまあ 全然ダメですねぇ。」

k「3万円でこれだけ鳴れば驚異的。」
k「中域はなかなか良いけど ユニットもこれだけあって ネットワークも
  でかいコイルとか入ってて 無理なんでしょうね。音としてカッコウは
  鳴っているけど中身が無いかんじ」
わ「おっしゃるとおりでございます」 m(_ _)m

永年オーディオをされてきた人が 反応する様な音ではありませんでした。
正直私はもう少し鳴る と予想していたいのですが 4343の重さ(SPとして)
は半端ではありません。515Eも遅い。

それと質感、OPTのSP制動力で 球アンプにも全然及びませんでした。
本来駆動力があると思われるデジタルアンプでしたが 4343が動き難すぎる
ためだか 質感まで引っ張られてしまっていました。ただ、声はなかなか良かった
です。

dbxの超強力アンプの制動力 音の艶 静かさ 抜けの良さ 
足下にも及ばないと感じました。6リッターV8エンジンとユーノス1600ccB4
エンジンくらいの差と言ったが語弊があるか そんな差です。

デジタルアンプファンの皆様 ごめんなさい。
今回は相手が悪かったです。




我が家へ移動

車で20分ちょっとで我が家に到着

今日は 久々に我が家の音 ノグチのファインメットコアーを使った
トランスに交換した 300B(無帰還化)を聴いてもらう。

K「前に比べると随分と高域が静かにスムースになっていますね」

わ「JIMさんに調整してもらって良くなりました」

k「低域はシングルだと緩いですね。オーケストラでは全然難しい。
  分離しないし 引きずる。」

わ「さようでございます。416を疑っていましたがアンプの個性もある
  ようです」

こんな会話をしました。我が家は中域から上のつながり 張り出し
美しさ中心ですので kitatanukiさんの 雄大さとは逆の音。
ソースもそれに合わせて ブルーノートや ボーカル ピアノを持ってきて
くれた。

さて オーディオスペースと 左奥に見える meiteiさん自作の KT−88 pp
での比較もしてみました。同じKT88 UL接続 NF少なめ。
私のは 球は 厳選 ちょっと 高域に張り出し 最低域の余裕 でも中低域の 
張り出し少ない ちょと音が引っ込む  音です。


kitatanukiさんは 直ぐにその個性を感じ

K「高域にちょっと張り出すと言うか癖がありますね。低域もちょっと柔らかい」
K「オーディオスペースは中庸で なかなか良い音」

そうです オーディオスペースは これと言った 爽やかさや 音のクリアーさ
抜けの良さ とかはあまりないけど 中低域がしっかりしていて バランスが良い。
安心してソースを聞ける音。これは お薦めアンプであります。

低域の弱さも 300Bに比べて改善されて なかなか良い。

ただ 個人的には シングルアンプの鮮度 音のクリアーな感じ
活きの良さが好きであります。冷えた岩清水の喉ごし 
上質な布の毛羽立つ肌触りの良さ
それがシングルアンプの身上でしょうか。



今日のオフは kitatanukiさんの 手術後体育会系セッティングの 上手さ
気合いが感じられました。 また 中国製の球アンプのコストパフォーマンスの
高さも体験。 充実したオフでした。

dbxの低域 あれは 欲しいなぁ・・・
 



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