| ▼ Jさん
電気理論は専門のはずだったのですが、ほとんど忘れてしまっています。
脳みその隅っこに引っかかっているものを、なんとか穿り返してみました。
> 小さい容量のコンデンサと大きい容量のコンデンサでは、
> 100分の1秒とかで放出できる電力量が違いますよね。
> おそらく問題になるのが電力量なので、
> 容量と、動作電圧の積に依存してくる部分だと思うのですが。
コンデンサに蓄えられるエネルギーを求める式に、W=1/2×C×V×Vと
いうのがあります。
要するに、コンデンサに充電されているエネルギーWは、C(コンデンサ
の容量に比例し、電圧Vの2乗に比例するということです。
例えば、10Vで充電された10000μFのコンデンサと、100Vで充電された
100μFのコンデンサは同じエネルギーを持っていることになります。
> じゃ、その短時間での電力補充という意味合いで考えると
> 構造上、330μと1000μでは大きさが異なり、
> 小さいほうが当然早く放出できます。
これは単純に、必要な電流をコンデンサからTrや球に供給するスピード
を考えると、電子が流れるスピードと同じになるはずです。
理屈上で何が音質に影響を与えるかというと、主なものはESRとESLだと
思います。
ご存じのとおり、コンデンサには必ず抵抗成分(ESR)とインダクタンス
成分(ESL)があって、これg大きいとTrや球に供給する電流に比例して
コンデンサに蓄えられている電圧が低下してしまいます。
そして音楽信号が圧縮されたような一種の歪となって、音質が悪化する
のではないかと考えています。
実際には、これは音質悪化要因のほんの一部で、コンデンサ容量そのもの
やESLによるインピーダンス(周波数による抵抗値変化)の変動や、ESR
の大きさも要因になりますね。
それよりもっと音質に影響がありそうなのはノイズで、コンデンサの共振
や漏れ電流の変動、誘導等によるものが考えられます。
これらの電気的な性能は、フィルムコンデンサが有利なはずですが、実際
に使って見ると音が冷たかったり厚みが足りなくなることがあります。
やはり長年、アンプの電源にはケミコンを使ってきていて、それに合わせて
トランスを設計したりTrや球の動作点を決めたりしているからではないか
と考えてしまいます。
もちろん、高性能なフィルムコンを電源に使うことを前提にして回路を
設計し、試行錯誤して音をまとめれば良いアンプができるとも言えますね。
私はVT-62アンプでこれをやってみましたが、未だに試行錯誤中の状況です。
(泣)
長文、乱文で失礼しました。 |
|