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[1706] Re:アナログっぽい返信 削除
2003/8/26 (火) 06:30:06 けんけん
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▼ わんこさん おはようございます。

> 恥ずかしいですけど 質問です。
いえいえ、知らなくて普通だと思います。

> トランスが鳴るのは フレミングの法則でしょうか?
フレミングの法則を使った機械は発電機とモータです。
トランスには使われていません。
これは 「磁歪振動」と言いまして、鉄心材に磁束が通ると
磁束の方向に伸びる性質が有る為です。
これは分子レベルの動きなので押さえつける事は出来ません。
押さえつけると、偏った応力が掛かり鉄心の性能が変化してしまいます
ので、応力を逃がすように設計されています。
それで振動し音が聴こえるわけです。

> 真空管を叩くと音がでる。当然振動や音の影響を受けると
> 考えますよね。

マイクロフォニックノイズと言います。
昔のST管なんか、スピーカの近くにアンプを置くだけで
ハウリングを起こしたそうですよ!!
まあ、これは振動の結果電極間の距離が変化するのが
原因なので、耐震構造という特殊管がある訳です。

> では、トランスが音をだすと どの様に音に関係するか?
> SPへの出力は交流で、それが振動を受けると・・

いえいえそれはありません。原因と結果が逆です。
ただし、アンプの出す音とスピーカの出す音のミックスを
聴いているには違い有りませんが・・・

> アナログっぽい話ですね。
> 出力トランスを耐熱性のでダンプすれば 体験できると
> 思います。物理的に殺した方がいいのか そうでないのか

それを試すにはトランスを分解して中にダンプ剤を入れる必要が
ありますね。アメリカ製のバンド型なんかだと全くダンプされていないので
実験は出来ます。
実は巻線も電磁力で内側の巻線は内側へ、外側の巻線は外側へ
力を受けます。これを絶縁紙で固定していますが、
それに使う高周波ニスの使い方(固め方)でも音が変ります。
全く、ノウハウの塊と言えますね!!

> ホーンの下に1mmくらいのゴムをはかしたのは
> 立ち上がりが鈍る感じですけど、イヤミは減ります。
> 立ち上がって混濁しない方が音がよさそうです。

チューニングの範囲なのですね。安心しました。
何か凄い事してそうで・・・

> 私のアンプは出力トランスの音の個性があるように
> 思ってきましたが、最近は それを感じません。
> SPに低域不足が減ったからかもしれません。
> いい加減なもんですね。
> メーカーのノウハウは それが大切だと以前おっしゃって
> いました。断絶して 引き継がれないのは 財産の喪失
> だと思います。

まったくです。
技術のキモの部分は文章では伝わらないので、人から人へ
面々と受け継がれないと消えてしまいます。
NC加工機の普及でそのうち道具を使って素材を削る
技術も消えるかも? 恐いですね・・・

> 見て音が変わる世界 私には合っています。
> だって理屈が難しいと・・・

数学者は考えるために数学を使いますが、
技術者は言葉として使います。
ですから、技術者が理解しているのは、実は数式ではなく
イメージなのです。
頭の中にモデルを作る事が一番理解に繋がりますね。
ガンバッテネ!!

ではでは。

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