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[2126] 薦められた理由返信 削除
2004/3/2 (火) 03:53:28 わんこ
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仙台のジャズ喫茶 JAZZ&NOW そこではレコードも売っていた。
画像の片方は 20数年前にそこで購入した2枚組。

思い出しました、その時私は 恥ずかしげも無く聞いたのです。

わ「あの〜 コルトレーンを聞きたんですけど何かお薦めがありますでしょうか?」
確かこんな質問をしたんだと。あまりにも幼稚 逆に言えば 飾り気が無く
好感を持たれたかもしれない。
そこで鳴っていたオリンパスの音は置いておいて
マスターは 何と 2枚組を薦めてくれたのだ。
激貧乏の私には2枚組はきつかったけど、聞いた手前買わずに
いられなかった。

それを何回か聞いた。最初は良さが分からなかった。
だんだん良くなった。エリックドルフィーは天才と聞いていたが
無茶苦茶格好良かった。学生時代に華を添えてくれたLPだった。

オーディオが復活して、輸入盤と最近買った日本版。
その違いは大きかった。

音がかなり違った。ラリッて 朦朧として響くエコーの感じが日本版は
少ない。これじゃ台無し。最初に聴いたのが輸入盤で良かった。
これは77年と書いてある、買ったのは80年くらいだから
販売したての頃だったのか。

日本盤はライナーノーツがあってこれはまた価値がある。
そこを見ると、没後に発見されたテープらしい。なんてこった。
ドルフィーがバスクラリネットだけでなく、盛大に吹いている
のも このアザーtapeだそうだ。

輸入盤と日本盤、実は大きな違いがまだあった。

2枚組なので AB CDとあるとすると
日本盤は 1枚目に ABが入っていて 2枚目にCDが入っている
それに対して
輸入盤は 1枚目に ADが入っていて 2枚目にBCが入っている

この違いは大きいでしょ! お気に入りのSPIRITUALは AとDなので
輸入盤は1枚で聴ける。2枚目は聴かないので助かる。

ライナーノーツによると この当時 コルトレーンとドルフィーの演奏は
革新的だったそうだ。
評論家、ジョン・ダイナンによると

「反動とよばれようと、最近のジャズの名で行われている ナンセンスな
 音楽は鼻持ちならぬ。最近、私はハリウッドの「ルネッサンス・クラブ」で
前衛音楽の代表者 ジョン・コルトレーンとエリック・ドルフィーによる
大デモンストレーションを聴いた。2人のニヒリスティックでリハーサル
の様なサックスのお陰で、マッコイタナー(p)レジャー・ワークマン(b)
エルビン・ジョンズ(d)という立派なリズムセクションは骨折り損の
ようなことをやっていた。コルトレーンとドルフィーは計画的にスイングを
破壊し、アナーキーな道に進みつつある。・・中略・・私にとって
彼らのインプロビゼーションは不可解である」

と書いてある。ライナーノーツでも今は笑い話と書いてある。
でも実際、当時はそれだけ受け入れがたい部分もあったんだと思う。
黒人が分かり難い音楽なんて許されなかったのか??
でも 今聴くと 単調なリズムの繰り返しに聞こえる。
ただそれぞれを聴くと猛烈にカッコウ良い。乗りが良い。
音もいい。
演奏はウルトラ、かつ分かり易い。でも気品がある、変な(
失礼、バンゲルだーの音に敬意を込めて)ピアノの
音が当時を思い出させる。

私はこの演奏で ディスコの様に踊れます。飛び跳ねて 踊れる。ホント
スピリティアルで。 こんなに乗りが良くて 分かりやすいアドリブ、
古典的なんだろうけど知的だ。

インパルスレーベルで 録音技師は ルディー・バンゲルダー
ライナーノーツによるとマイクをもって右往左往したとのこと。
どうりでコルトレーンが左右に動いたりドラムが移動するわけだ。
2.3分おきにマイクの位置を変えた、まるでコルトレーンのつけ馬の如く
ピッタリついて離れずテナーから数インチの場所にマイクを保ち続けた
と書いてある。なるほど!
音を聴いて納得できた。

音は凄い。演奏はもっと凄い。
でも拍手はまばら ・・なんだ・・この悲しさ
これがジャズを取り巻く世界だったんだろう。

私はコルトレーンをそれ程知っているわけではりません。
でもこの辺でしょ、分かり易いのは。
マッコイターナーのピアノ 凄いプログレしていた。

オーディオ的には このレコードの為に プレーヤーを買い
カートリッジを買い トランスなりヘッドアンプを買って 再生する価値がある。
数十万でこのレコードが味わえるので有れば 安いと断言したい。
タイムマシーンに乗れるんだから。

ジャズ喫茶 JAZZ&NOWのマスター
貴方が私に勧めてくれたレコード 今をもって輝いています。

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