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[6347] WE91型300Bシングルアンプのチューニング返信 削除
2008/10/7 (火) 23:45:43 こいし
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▼わんこさん

>先日お会いして こいしさんが 膨大な量のアンプ制作
>その他の経験をつまれての言葉であるので、他の人の伝聞ではなく
>ご自身の経験からの説得力のある 意見 好みが 凄く
>頼もしく説得力を持って伝わってきました。


本当に、ありがとうございます。

また、シュニッツアーチューニング状況を教えて頂き感動です。
特に6気筒というのが私は大好きです。3極管アンプに近いです。
5極管アンプはV8でしょうか。

http://wanko.cside8.com/cside/6ca7/P1010416.JPG
こちらで300Bシングルアンプの回路を拝見させて頂きました。
WE91型になりますが、要点を以下のようにさせて下さい。
1、2段構成のシングルアンプ
2、初段に5極管を使う

このタイプでは2台設計製作しました。
(WE300Bでないとダメって言わないで下さいね)

このタイプの私の音質チューニング・ポイントを書きます。

一番音質を決めるのは初段です。

初段に5極管を持ってくるとゲインは十分稼げますが
内部インピーダンスが高いため、ハイ落ち傾向になります。
そのため、初段のプレート抵抗は低く抑えたくなります。
低くすると今度はゲインが減りますので、ここで良い頃合を
見つけることが必要となります。

わんこさんアンプではWE418Aを使用して47Kオームに
抑えてあるところです。
これは良く練られていると思います。

例えば6SJ7ですと100Kオーム辺りを選びますが、
ここを91Kオームにするか、120Kオームにするかで
高域の感じは大きく変わります。

91Kですと、元気が出る感じで、120Kにすると
しっとり感、やさしい、落ち着いた感じがします。

低域側のポイントは、5極管のEsgの電源インピーダンスが
大きく影響します。ここの電圧は変動しない様にすると
改善します。

わんこさんのアンプでは91Kオームの抵抗から真空管に
接続されている部分です。
こちらは36Kオームの抵抗で電圧を分圧すると共に、
ブリーダ電流を流し、かつ、100μFのコンデンサを
使用しています。これも良く練られていると思います。

私はALTECの333型アンプの回路をベースに製作した
ことがありますが、オリジナルですと小さいコンデンサ容量です。
女性ボーカルは良いですが男性ボーカル辺りから下は非常に
頼りなく感じました。この時は10μFに変更しました。

ここまで見ると、凄く良く出来ていると感じます。

一方、全体の重心を調整するポイントです。

これはEsg電圧になります。ここの電圧変更はEp-Ipの
動作点を変更しますのでゲインも変わり、音質も変わりますが、
特に重心感が変わります。

私のチューニング結果としては、10V単位で試聴して
決めていますが、結果的には2通りのどちらかになっています。

わんこさんのアンプで説明すると、「418A動作」EP=137Vと
ありますので、これの1/2あるいは1/3のどちらかです。

1/2では、137/2=約70V
1/3では、137/3=約45V

Esg=55.8Vとありますでの、1/3側で設計されて微調
されたと推測します。

音質傾向ですが1/3だと重心は低め、1/2だと中域から
高めになります。

今回じっくり拝見させて頂きましたが、重心位置を中低域側に
持って行き、低域の感じを重視してチューニングされたアンプと
思います。

以上が大きい変化となる部分ですが、次に微小ですがポイントを
書きます。

WE91型アンプということもあり300Bから初段に帰還が
掛かっています。1μFのコンデンサの部分です。
私の印象は低域の厚み感が少し出ますが、逆にスッキリ感が
減ります。
私のサンオーディオベースのWEVT25アンプでは
P610では有り、136Aでは無しで聞いています。

帰還(NFB)について
300Bのプレートから初段WE418Aのカソードに
PK帰還が掛かっています。130Kオームと3.3μFの
部分ですね。
タムラのF2003という特性の良い出力トランスを用いて
いるので、オーバオールの帰還をさけたのだと推測します。

(訂正します。オーディオフェアにてアドバイスさせて頂いた
NFの量を変えて見るためにボリューム化して見ては!!
というのはオーバオールの帰還タイプでは非常に有効です。
PK帰還では異なります、ゴメンなさい)

PK帰還でのNFの量による変化ですが、これはオーバオールの
NFBと比較すると試聴上の変化は小さく感じられます。

例えるなら、オーバオールは厚化粧まで可能という感じ、
PK帰還は薄化粧で整える感じでしょうか。

PK帰還ではコンデンサーの容量により効き具合感が変わります。
ここを10μF位にすると低域も下まで伸びる感じになります。
(3.3μFは十分適正な値ですが、不思議な物で試聴上は
大きく変わります)

もし、実験される場合は合わせてカップリングコンデンサの
容量も0.15μFあるいは0.22μFに変更して見て下さい。

電源回路ですが、低域を伸ばした感じにしたい時は、
初段の電解コンデンサを大きくします。
わんこさんのアンプでは200μFと大きい値の物が
使われています。

ただし、ここを大きくすると量感は出ますが切れが悪くなります。
切れを優先する場合は少なくします。47μFとかお勧めです。

以上、良く見れば見る程、わんこさんの嗜好に合わせて
設計されていると感じました。

まとめますと、3.3μFを10μFに変えて見るになります。

アンプの話ばかりですが、よろしくお願いします。

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