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[722] Re:ハミングホールCD返信 削除
2002/2/5 (火) 02:14:57 ひろせ
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▼ わんこさん
 十七絃箏(「じゅうしちげんそう」正式にはこういいます)
曲のタイトルは「みだれによる変容」です。みだれという十三
絃(これが普通にいうお琴)の名曲がありまして、作曲したの
は江戸初期の琴演奏家で作曲家の八橋検校。これをモチーフ
にうちの親父が作曲したのがこの曲です。八橋という名前から
想像できますように、京都のお菓子八つ橋は、彼に由来して
います。八つ橋の元祖は聖護院八つ橋なんですが、この聖護院
(平安神宮の近所)のあたりに八橋検校が住んでいたらしく、
作曲も当然そこでされたのでしょう。で、うちの親父も勤務先
の大学がかってそこにありまして、官舎もそこにありました。
そして、この曲もそこで作曲されたという偶然があり、作曲した
親父は、何かが取り憑いたかもしれない、とも言っております。

 という能書きはいいとして、この曲は難曲です。十七絃とい
のは、西洋楽器を意識したという経緯があって、誕生は20世紀
前半あたり。音域としてはバイオリンに対してチェロという性格
ですが、楽器発生的性格としてはコントラバスと言っていいと
思います。で、そのチェロもしくはコントラバスをですよ、
ヴァイオリン用に書かれた旋律で一部弾かなければならない
んです。弦は太いし(ちょっと太いピンケーブルくらいある)、
張力はあるしで、もう大変。そんでもって音量をある程度確保し
ないと、曲自体が成立しないんですね。当日ダンさんの奥さん
(愛子さんといいます)、朝から控え室で練習して収録はお昼過
ぎから。それも2時間かけてやったので、多少お疲れの傾向はあ
りますが、それでもあの音が出るんですね。
 しかし愛子さんも大変だったと思いますよ。超難曲でしょ、
作曲者の身内が収録スタッフである(笑)し、察するに余りあり
ます。

 エンジニアのI田さんもよく調整してくださったと思います。
内緒ですけど、通し演奏ではないんですね、これ。途中切り張り
しています。でもまったくわからないし、音場感まったく変化
してないでしょう? それと確かこのトラックに、このCDの
ピークレベルが存在していたと思いました。これは私の要望で
そうしてもらったんですが、よくおさまってると思います。

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 で、しらけるので権利関係のことだけちょっと。
 今回わんこさんに発売前の音源があるのは、わんこさんが
ホール届け出のプロデューサーになってるという理由があり
ます。敏腕ではなくてわんわんプロデユーサーってことで(笑)
 なもんでお聞きになりたい方は、CD発売までお待ち下さい。
どうしてもお聞きになりたい方は、わんこさんちでわんこさん
のいる横で聞いてください。堅苦しいことですみません。
 それと、この曲はダンさん一門の演奏会で、演奏されるらしい
とか聞いた覚えがあります。まあそのときは、みんなで押し掛け
ましょう。


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