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[3261] 球の楽しさと限界返信 削除
2006/3/23 (木) 17:39:21 kitatanuki
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12AU7のフラットアンプは、電源を強化すればかなり癖のな
いものが出来ると思います。
電池の次は、トランスとダイオードで別電源を組んでみるべ
きと思います。とはいえ、自分も部品を買いに秋葉原まで行
けないのですが。電源KITもユニエル電子から色々出てま
すよね(通販可)。
ただ、個人的には球のプリアンプはパワーアンプほどには
球らしさは出ないような気がしています。

友人がマランツ7の復刻版を買ったときに、自宅で素性を試
してみたことがあります。
その結果は、低音に持ち上がった部分があって独特の力強さ
を演出している以外に、音質的に石のプリとさほど違わない
という結論でした。

その球のパワーアンプですが、早くも3日聴いてお休み状態
となりました。MJで絶賛されるのだから、そう悪いはずは
ないのでしょうが、やはり癖が強すぎます。
帯域は狭くて超高音と超低音は出ないのはしょうがないとし
ても、石のアンプよりは定位や前後感が曖昧で、どうにも落
ち着きません。なにより、メインソースであるFMチューナ
ーにひどく相性が悪いので、これは困りました。

しかし、帯域内に限っては2次高調波の多いKT-88の特質か
ら、弦楽器は限りなく美しく、低音も太くて楽しめます。
LUXのユニバーサルプレーヤーとの相性は抜群です。しか
し、過渡特性の悪さからか他の部屋でスイッチの操作がある
と、ブチーッと大きな音が出ます(石ならほとんど聞こえ
ず)。雰囲気はよくてもパルス性のソースには、ついて行け
ませんから、物理特性のよいデジタルソースを原音で再生し
ようなどとは始めから思わずに、ソースによって使い分ける
のが一番よいのかなという感想です。

電源の強力な石のアンプでは、部屋の影響すら排除するらし
く、故障したアンプの定位は見事なものでしたが、それに慣
れるともういけません。このKT-88の売り主はLUXのB-10
という500Wの巨大モノラルアンプに買い換えたのですが、
B−10の方がより真空管らしい美しさや柔らかさも出るし、
スピーカー駆動能力は桁違いだと言っていました。よく出来
た巨大アンプは、すべての面で表現力が優れているという事
だと思いますが、マークレビンソンの回路がどうこういう前
に、大きなアンプは電源の容量自体がまるで違うので、それ
がまずモノをいうと思います。

JBL4343は、旧知のオーディオマニアが、エッジの破れで安く
手放すことになったものを譲ってもらうもので、サラから作
る時間がない為の一時しのぎと、所有しているユニットをテ
ストしてどれだけ改良できるかの実験材料です。ずっと使え
るシロモノではないでしょうが、強力なアンプでどれだけ鳴
らせるか見極めてみたいと思っています。

しばしの間とはいえ、二種類のスピーカーを石のアンプと球
のアンプで鳴り分けをするというのは、すごい贅沢だと思い
ませんか。ああ、広い部屋がほしい!



[3262] Re:球の楽しさと限界返信 削除
2006/3/23 (木) 21:39:24 わんこ
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▼ kitatanukiさん
インプレッション 大変興味深く拝見させていただき
ました。忌憚ない書き方でとてもスッキリしていて
良いです。

kitatanukiさんのご自宅の音は聴かせてもらったことが
ありませんが 何を重視されるかは 私なりに想像が
ついていて 今回のKT88球アンプへの評価も
想像どおりです。

レンジが狭く 癖があるは おっしゃるとおりだと
思います。やはり 癖が強いと ずっと聴いていられない
ですよね。私も行き過ぎは×です。ただ それが
kitatanukiさんより遙かに鈍感なんだと思います。

>>石のアンプよりは定位や前後感が曖昧で、どうにも落
>>ち着きません。なにより、メインソースであるFMチューナ
>>ーにひどく相性が悪いので、これは困りました。


定位や前後感が悪いのは パワーでも感じられるんですね。
私はプリアンプで多少そのような傾向があるのか?
と感じていました。でも考えてみれば 300Bシングルと
KT88ppでは我が家でも確かにそのような差が
あります。
FMチューナーと相性が悪いのは 音に癖があるから
なんでしょう。見通しが悪い。
想像ですが 球アンプでももっと音の良いのを目指して
も良いかと思います。DBXのは 相当高価なアンプ
ですか? ならば 球でももう少し良いのでないと
比較できないかもしれません。


>>物理特性のよいデジタルソースを原音で再生し
>>ようなどとは始めから思わずに、ソースによって使い分ける
>>のが一番よいのかなという感想です。


私は本格的巨大アンプを聴いていないので 自信はありませんが
たぶんおっしゃる通りなのでしょう。
部屋の影響まで 排除してしまう
金田式アンプの記事で見たことがあります。
JIMさんは 金田式アンプを使われていますので
好みが合うのではないかと想像しています。
今度 JIMさんの家で聴かせていただきに行くとき
ご一緒させてもらいませんか? JIMさんのネットワーク
のテクニックは凄いですのでkitatanukiさんと
話が合いそうです。

**
kitatanukiさん は 巨大な石アンプのメリットを
主張されている様に受け取りました。

ある程度の部屋で それなりのレンジを確保したspで
大音量で生のオーケストラに近い音量で再生するのを
主とするのであれば そうだと思います。
その場の空気感 リアルな音場感 音数の多さ
素直さ ひずみ感の少なさ 自然さ。
オーケストラが目の前に居る様に再生したいとすると
そんな条件が要ですよね。

車に例えてはいけないのかもしれませんけど、

300kmを出せるアウトバーンを自在に走れる環境
であれば、大排気量で 足回りも硬い 物量投入の本格的車がマッチ
し要求されるのと似ていると思います。
我が家でも音量が大きくなると その 素直系
のアンプが必要になってきています。

問題は我が屋のリスニングルームは 日本の道路並で
コンサートホールやライブハウスの速度は全然だせません。
そこで違う価値観で対応することになっています。

小さい音量でも巨大アンプでわしづかみ系が良い、
と言われると 私はちょっと疑問です。
ごく小さい音量でしたらレンジは広くなくても 小さい
フルレンジとか ソースが悪いポップスとかだと
フルレンジやそれなりの再生装置が マッチすることを
経験しています。
逆に 先日の武蔵村山のPAの選定の時にかけられた
ドナルドフェイゲンの「ナイトフライ」なんて PAで
大音量で書けても ソースに元々些細な情報やパワーが
なくて ちっとも楽しくないこともありました。
あれは小さい部屋向け 速度150Km/hまでの
ソースなんですね。

meiteiさんは どちらかと言えば至近距離小音量の方向性かと
思います。これまた 魅力的でして パソコンのオーディオ
なんて 今でもしびれるほど良い音がしていると
思っています。
先日 eijiさんに スタックスのヘッドフォンを聴かせて
もらいましたが 歌謡曲や 小編成だと
我が家のディスクトップオーディオを聴いてもらいたい
くらい 良いと思っています。それくらい素晴らしい。

立川近辺の町乗りであれば ボディーはコンパクトで 足回りも
スピードレンジが低いのに合わせて柔らかくしなやかな足
が良いでしょうし パワーも400 500馬力より
小気味良いレスポンスを引き出せる ギア比とパワーで
十分と言えるでしょう。

町乗りでのんびり楽しんだり 旧車の麗しい見た目を
楽しみながら ノイズ(音)を味わったり 操作系の
フィールを楽しみながら と言う楽しみも存在すると
思います。

私の場合 「原音再生」 特にクラシックを聴かないので
その言葉自体にそれ程意味を感じておりません。

300km出せる世界に キャブレターのアクセルレスポンス
なんて意味ないですし、4気筒2000CCのトルクの
出方云々とか 評価されないのと同じだと思います。

ここは 実際に 聴かせていただかないと 空想で談義
する虚しさが出てしまいますよね。
私も巨大アンプ や デジタルアンプに 興味が無いのでは
ありません。興味津々です。

ただ 遊びとして 趣味として快感を感じる
部分は今まで書いてきたとおりですので
私の価値観を揺るがしてもらいたい気持ちと
今までの路線を肯定したい気持ちが同居しています。



それでは kitatanukiさんは どうして KT88の
アンプを買われたりしたのでしょうか?

もしかしたら 我が家で聴いた 球アンプ群に
何か反応されたのではないかと思います。その何か?
が私のスイートスポットなのだと思われます。

ならば2A3のロフチンホワイト回路みたいな 美しい響きの
ある弦楽器の音が 中国製のKT88のppから聴くことは
まず困難だろう と思ったり(笑) 0,1wで深夜聴くのに
巨大アンプで4343を鳴らすのと フルレンジに
シングルアンプでボーカルを聴くのと どっちが 好き?
そんな質問もしたくなります。

前回のオフでも報告させていだきました。
http://wanko.cside8.com/FBBS/cyclamon.cgi?tree=s2990#2990
こちらをご覧ください。

4338は マッキントッシュの巨大アンプ(kitatanukiさんの
おしゃる巨大アンプとは違うのかもしれませんが)
より KT88の50Wの球プリメインアンプの方が
ポピュラーを聴く上では、遙かに 力強く良かったです。
クラシックを聴かれる いけださんは 石アンプの方を
評価されていました。
こんなに 判断が違う人が一緒にいられるのがここの
良いところではないか と思っています。

今後も どしどし 介入してください。
私も自分の経験や価値観を語らせていただきます。


深夜だと我が家では 音量は0.1W未満です。
それでも 気持ちよく音楽が いや音が楽しめる装置。
朝 出勤前に1曲聴くときに 英気が養える快音をだす
装置。それを求めています。

果たしてそれは 素直な巨大アンプや、
デジタルアンプにあるのか? それとも 個性的な
プリ&球アンプにあるのか?

アンプやspによって聴きたくなるソースさえ変わる
ほどの いい加減さですから どのようになるのか
自分でも分かっていません。

今後も どうぞ 大いに私を惑わせてください。


[3263] Re2:球の楽しさと限界返信 削除
2006/3/24 (金) 10:17:49 meitei
__ / __

▼ わんこさん、kitatanukiさん

話題になっているKT88アンプの詳細を知らずに議論
させていただくのも恐縮なのですが、球アンプの音質
は「出力管+回路形式+出力トランス」の要素が一番
効いてくると思います。“KT88PP”と言う要素だけ
でこの形式のアンプ一般の性質云々は論じられないと
思います。低コスト・大量生産の市販アンプでの出力
トランスのクオリティーが、ちょっと、不安材料なの
ではと感じながら記事を拝見していました。50Wと
言うアウトプットは、UL接続、3極管接続では達成で
きません。かなり無理なドライブでNFBを大きくかけて
達成された数字だと想像しました。

現代のデジタルソースにも対応する国内のKT88PPの
HiFiアンプでは何らかの局所帰還をかけて特性を改善
し、出力は欲張っていません。20W+アルファ位を
狙った物が多いようです。

ホームオーディオでの“大出力”には疑問を持ってい
ます。ソースの要求するダイナミックレンジ、使用す
るSPシステムで違いは出てくると思いますが、よほど
能率の悪いシステムを使うのではないかぎり、20Wも
あれば充分以上の音量を得られると思います。

私は3Wの2A3シングルアンプを使用中ですが、私の
聴いているソースではクリップさせる事は難しいほど
の余裕を感じています。ニアフィールドで音色を楽し
むと言う聴き方が、少し、特殊なのかも知れませんが。

車の話題になって恐縮なのですが、最近、NA300馬力
の中古ハイパフォーマンス車を購入しました。大出力
は大いに魅力ですが、国内の交通環境ではその性能の
一端しか堪能できない事が不満になります。街乗りで
余裕を感じながら運転すれば良いのかと言うとそうで
もありません。想定しているステージが大きく異なる
ための不具合も感じます。街乗りを楽しむには160
馬力の良くできたセダンの方が気持ち良いと感じてい
ます。逆に言えば、趣味車としてはどちらも共存でき
るのではないかと感じます。小出力球アンプの音色、
大出力石アンプのドライブ力、どちらも魅力的なのだ
と思います。

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