[16124] 真空管の寿命について考える(1)返信 削除
2023/3/10 (金) 07:05:57 好事家HomePage
__ / __

今年1月の相互訪問に触発されて真空管アンプのユーザーとなりました。
アンプはソフトン Model7
http://softone.a.la9.jp/Model7/M7-1.htm
http://softone.a.la9.jp/Model7/M7-2.htm
アンプ購入時にShuguang EL34(中古)が付属しており、その後わんこさんのご厚意により、シーメンスEL34、JJ KT88を所有する事になりました。
それぞれの音については先日の比較試聴動画をご覧下さい。
その後EDさんが来訪された際に、真空管測定器(Hickok800)にて測定頂きました。
結果はEDさんの書き込みを引用

>Hickok800でEL34の測定をしてみたところ、2種とも
>gmが半減状態で交換時期に来ている状況でした。


EDさんに「真空管の寿命が来ると聴感上どうなるの?」と質問。
曰く「ボケた音になる」、なるほど人間と同じ様にボケるのか...(^^;)

という事は皆さんに聞いて頂いたように、明らかなボケは感じられません。
皆さんは真空管の寿命について、どのように判断されていらっしゃいますか?



[16125] Re:真空管の寿命について考える(1)返信 削除
2023/3/10 (金) 08:34:55 わんこ
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▼ 好事家さん

真空管の寿命が近くなるとどうなるのか?
身をもって経験したことがあります。

確か2016年くらいのこと、EDさんが我が家に来られた時
音を最初に聴いて
 「ナローレンジだ」
と言われました。

私は変だなぁ くらいに思っていたのですが少しずつ劣化
しているのに気づきませんでした。
スベトラーナ?のKT88を12年 meiteiさんの仕様で5年
こいしさんに造り直してもらって7年くらいでしょうか
使い切っていたのです。

それで真空管を見ると銀色の塗布物が殆ど消えていました。
その時の顛末をご覧ください

http://wanko.pecori.jp/FBBS/cyclamon.cgi?tree=s10643#10643

JJやタングソル等も聴き比べています。
アンプの設定で真空管の銘柄の評価も変わるので参考にしか
ならないと思いますが、へたり については明らかでした。

6CA7はそれなりの負荷で使っていたと思いますので
へたってきていると思いますが よい真空管はへたり気味
でもしなやかさが残っているような イメージ があります。

真空管アンプの達人がそばにいらっしゃるので
あこれこれ楽しんでください。
時に トランジスターのパワーアンプと聴き比べると
立ち位置が分かってよいと思います。


[16126] Re2:真空管の寿命について考える(1)返信 削除
2023/3/10 (金) 09:05:28 好事家HomePage
__ / __

▼ わんこさん
> 真空管の寿命が近くなるとどうなるのか?
> 身をもって経験したことがあります。

中略
> 私は変だなぁ くらいに思っていたのですが少しずつ劣化
> しているのに気づきませんでした。
> スベトラーナ?のKT88を12年 meiteiさんの仕様で5年
> こいしさんに造り直してもらって7年くらいでしょうか
> 使い切っていたのです。


サスペンションのヘタリと同様に少しずつの劣化は気付き難いものですね。

> それで真空管を見ると銀色の塗布物が殆ど消えていました。
> その時の顛末をご覧ください


人間と同様に頭が薄くなる...(^^;)
我が家の真空管はそこまではいってないようです。

> 真空管アンプの達人がそばにいらっしゃるので
> あこれこれ楽しんでください。


その点はあてにしているのですが、あまりおんぶにだっこでは進歩が無いのでボチボチと自分でも調べています。

> 時に トランジスターのパワーアンプと聴き比べると
> 立ち位置が分かってよいと思います。


状態維持の観点からも時々聞いてみます。


[16127] Re:真空管の寿命について考える(2)返信 削除
2023/3/10 (金) 09:22:54 好事家HomePage
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実際に終末を迎えた真空管の音がアップされていました。

「真空管アンプ 寿命末期の音です。」
https://www.youtube.com/watch?v=Q91RtDHPQzk

分かりやすいです、急激に悪化することもあるんですね。

真空管試験機を使った診断
「真空管の交換時期【プロの現場にはプロのギターテクニシャンがいる!!】」
https://www.youtube.com/watch?v=JqW-B9BNuxg

こちらで測定に使用された機材
https://maximatcher.com/
非常に高価です!
https://maximatcher.com/product/maximatcher-ii/
出力管の短絡、ヒーターの動作、およびプレート電流 (Ip) とトランスコンダクタンス (Gm) の電気的特性がテスト出来ます。
EDさんの試験機も同様な機能が有ります。



[16128] 真空管の寿命について考える(3)返信 削除
2023/3/11 (土) 12:06:58 好事家HomePage
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EL34のデータシートを」見ることにした。
9ページに3結でのB電圧とC電圧との相関グラフがあった。
Shuguang EL34で実際に測定し赤色でプロットしてみた。
これって、それ程悪くないですよね?


[16129] 真空管の寿命について考える(4)返信 削除
2023/3/11 (土) 12:29:04 好事家HomePage
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EL34のデータシートの1ページを見てみます。
赤枠で囲んだ部分に注目します。
3結での250Vデータです。
赤色の数値がShuguang EL34の実測値です。
真空管測定で重視されるgm値が誤差の範囲です。
これって極めて健康ですね。(^^♪


[16130] 真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/11 (土) 13:08:38 好事家HomePage
__ / __

さて、ここで新たな疑問が生じました。
EDさんのHickok800で測定した結果、gmが半減状態で交換時期に来ているとの宣告。
私の測定結果と相反します。

Hickok800でのgm測定結果は以下の通りです。(数値はμmhoで1mA/Vだと1000μmho)
Shuguang EL34
No1 3000
No2 2950
No3 3200
No4 2600

シーメンス EL34
No1 2900
No2 2950
No3 3000
No4 2950

アンプ購入時に付属のShuguang EL34だけで無く、シーメンス EL34も似たような数値で不思議に思いました。
その疑問を払拭する為に自分で測定しようと思った次第です。
この謎解きにどなたかチャレンジされませんか?


[16131] Re:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/11 (土) 22:26:36 ED
__ / __

▼ 好事家さん

> EDさんのHickok800で測定した結果、gmが半減状態で交換時期に来ているとの宣告。
> 私の測定結果と相反します。


Hickok800で測定したとき、球の寿命がGOODかREPLACEか
を判定する設定でした。

実際のgm値は、表示3000と言っていたのはメーターの
スケールを読み間違えていて、実際は7500μA/Vになる
ことが後で分かりました。

6CA7の新品規格が11000μA/Vなので、68%まで電流感度
が落ちているということでしょう。

ところで、6CA7三結のEP-IP特性を実測されていますが、
Hickok800は5極管接続で測定していて、測定条件が全く
違うので比較はできないと思います。

また、実測されたEP-IP特性から、P電圧150V、バイアス
-10Vの動作点でgmを算出すると、以下のようになります。

 サイン波の山側:10000μA/V
         バイアス+5V時にP電流50mA上昇

 サイン波の谷側:5000μA/V
         バイアス-5V時にP電流25mA減少

平均すると7500μA/Vで、Hickok800の測定結果と偶然
一致していますが、新品時のEP-IP三結(実線)もほぼ
同じ値になっているので??です。

おそらく、五極管接続ではgmが68に下がっても、三結
ではこの程度では影響が出ないのではないかと思います。




[16132] Re2:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/12 (日) 09:34:06 好事家HomePage
__ / __

▼ EDさん
考察有難うございます。

> 実際のgm値は、表示3000と言っていたのはメーターの
> スケールを読み間違えていて、実際は7500μA/Vになる
> ことが後で分かりました。


EDさんは当然お分かりですが他の方が分かりやすい様に画像を添付しました。
一番左のダイアルがBIAS調整、gm測定時のENGLISHは目盛りの73の所に小さなポッチと3000の数字が小さく書いてあり3000μA/Vスケール、86で6000μA/V、92で15000 μA/Vとなっています。
新品規格が11000μA/Vの6CA7の測定でしたら、92の15000に設定して15000スケールの値を読み取る事になります。
EDさんは6000スケールの値を読まれていた時にダイアルは86になっていた可能性はないのでしょうか?

> ところで、6CA7三結のEP-IP特性を実測されていますが、
> Hickok800は5極管接続で測定していて、測定条件が全く
> 違うので比較はできないと思います。


私のアンプは3結なので測定はその条件でやりました(簡単)。

Hickok800は古いもので1958年製造の物もあり、私達と同世代です。
電源スペックはAC50Hz,60Hz、110V-125Vでデザインされており、米国では当時117V位が標準的だったようです。
当時の事ですから日本向け仕様の物は無く、100Vでは本来の性能を発揮できないのでは?
ヒーター電源はトランス出力のままですから、何ボルトでていますか?
テスト時のプレート電圧等も然りです。
米国製の真空管試験機を使用の際は昇圧トランを利用されている方も見受けます。
100V仕様の改造例もあります。
http://amp8.com/amp-etc/v-tester/600a.htm#ef
KT88やEL34も測定されていますが、改造後もEL34は少なめに出ているようです。

高出力管の測定は不得意なのかも知れません。
https://www.audioasylum.com/cgi/vt.mpl?f=tubes&m=34350
https://audiokarma.org/forums/index.php?threads/hickok-800-kt-88-testing.499006/


[16133] Re3:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/12 (日) 14:42:24 好事家HomePage
__ / __

▼ EDさん
ご存じかと思いますがHickok800の各電圧の適正値です。

1.フィラメント電圧は公称値のプラスまたはマイナス 10% 以内である必要があります。
2.プレート電圧 150V±5V
3.スクリーン電圧 130V±5V
4.REDUCED SCREEN電圧 56V±3V
5.グリッドバイアス電圧 BIASコントロールを時計回りいっぱいで-39V±1V。
BIASコントロールを22に設定し-3V±0.2V
6.GRID SIGNAL電圧 BIASコントロールをゼロでAC2.5V±0.125V

以上参考になれば




[16135] Re4:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/12 (日) 18:08:29 好事家HomePage
__ / __

あれからHickok800を使用した6CA7の測定実績?を調べました。
余計分からなくなりました。(^^;)

https://reverb.com/item/65603840-general-electric-6ca7-el34-matched-
pair-big-bottle-fat-boy-ge-usa
4700と4300で新品が4700、3000未満は低い

https://reverb.com/item/66156337-vintage-mullard-great-britain-el34-
xf2-matched-pair-6ca7-power-tubes
5000と5300

こちらではスゴイ値!
https://www.worthpoint.com/worthopedia/sylvania-el34-6ca7-fat-boy-matched-74214478
9500,9500,9700,9700

私のが7500ならバリバリ元気って事になりますが...(^^;)



[16136] Re5:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/12 (日) 22:13:15 こいし
__ / __

▼ 好事家さん、EDさん、わんこさん

 複数のポイントで話されているようなので
 私なりに整理させていただきます。

 1,真空管の寿命、劣化について
   https://lazyecology.web.fc2.com/reverb/special/choi_lab/15_vaccum_tube_life.html

   上述の「GMでの劣化の予見」にある
ヒーター電圧を下げて活性度の変化を観測する方法
   https://d404f203.blog.fc2.com/blog-entry-3.html
   ※ライフテストとして説明

 2,真空管が劣化どうなる。μ(ゲイン)が落ちると。

   ・無帰還アンプの場合
    古典的な回路では周波数特性は、100Hz〜15kHz程度
    なので、ゲインが低下しても、新品時に比較して
    同じ音量にするにはボリュームを上げる必要が
    出てくる程度の差。

   ・帰還(NFB)アンプの場合
    NFBを掛けることで、周波数特性は20Hz〜20KHzまで
    特性を伸ばしている。ゲインが低下するとNFBの
    帰還量が減ることになる。

    聴感ではハッキリしない、ぼやける、籠ってくる、
    低域がボンつく、ドンシャリ傾向が出るなど
    (NFBの低下により見かけのDFも悪くなるため)

引用ばかりで、すみません。


[16137] Re6:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/12 (日) 22:19:04 こいし
__ / __

▼ 好事家さん、EDさん、わんこさん

 3,好事家さんの測定結果について

  EL34の実測データ
  http://web1.kcn.jp/tube/EL34.tube.data.html

  こちらの3結時のEp-Ip特性を見ると、GMが約20%悪化

  Ep250V程度では差異はありません(分かりません)が
  高電圧(Ep450V)で見ると、特性曲線寝ていること
 (ゲインが落ちている)が分かります。


  好事家さんの測定結果に問題はありませんが、
  GMの差異をハッキリ見えるようにするには
  例えば、もっと高電圧まで測定する必要がありそうです。



[16139] Re7:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/12 (日) 22:49:58 好事家HomePage
__ / __

▼ こいしさん
>   EL34の実測データ
>   http://web1.kcn.jp/tube/EL34.tube.data.html
>
>   こちらの3結時のEp-Ip特性を見ると、GMが約20%悪化
>
>   Ep250V程度では差異はありません(分かりません)が
>   高電圧(Ep450V)で見ると、特性曲線寝ていること
>  (ゲインが落ちている)が分かります。


>
>   好事家さんの測定結果に問題はありませんが、
>   GMの差異をハッキリ見えるようにするには
>   例えば、もっと高電圧まで測定する必要がありそうです。


コメントならびに参考資料の提示有難うございます。
私のアンプは360V辺りのようです、手持ちの小型電源は350Vまでの仕様なので試してみます。
大型電源は424Vまで可能ですが、ファンが五月蠅いので..。


[16144] Re7:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/13 (月) 13:18:11 好事家HomePage
__ / __

▼ こいしさん
>   好事家さんの測定結果に問題はありませんが、
>   GMの差異をハッキリ見えるようにするには
>   例えば、もっと高電圧まで測定する必要がありそうです。


測定に使用している安定化電源のリミット350Vまでテストしてみました。
この電源は高電圧になると大きな電流が流せなくなります。(^^;)


[16145] Re8:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/13 (月) 21:10:44 好事家HomePage
__ / __

▼ こいしさん
> 測定に使用している安定化電源のリミット350Vまでテストしてみました。
> この電源は高電圧になると大きな電流が流せなくなります。(^^;)


その後冗長なケーブルを短くし、電源も強化しました。
その結果3結でのデータが改善しました。

こいしさんに紹介頂いた「ライフチェック」の結果は15%程度の減少でした。


[16148] Re9:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/14 (火) 00:15:24 こいし
__ / __

▼ 好事家さん

 測定結果が改善されたそうで良かったですね。

 ライフチェックでは15%程度の減少とのこと。


 そもそも真空管のスペックは大らかなモノで±20%程度は
 ある場合がありま。

 今回のEL34はまだまだ使えると考えます。


 ご承知と思われますが、EL34のデータベースを紹介します。
 https://tubedata.jp/index.php?M=search&word=EL34

 こちらでgmを比較すると、メーカによってEp-Ipグラフは
まったく同じではありません。



[16149] Re10:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/14 (火) 08:05:09 好事家HomePage
__ / __

▼ こいしさん
>  そもそも真空管のスペックは大らかなモノで±20%程度は
>  ある場合がありま。
>
>  今回のEL34はまだまだ使えると考えます。


私も測定を重ねるうちに、そう考えるようになりました。

>  ご承知と思われますが、EL34のデータベースを紹介します。
>  https://tubedata.jp/index.php?M=search&word=EL34
>
>  こちらでgmを比較すると、メーカによってEp-Ipグラフは
> まったく同じではありません。


各メーカーのデータ紹介ありがとうございます。
今回のテストに使った真空管のデータはこちらに有りました。
https://ja.aliexpress.com/i/521593225.html

規格表では
Va 250V
Vg2 250V
Vg3 0V
Vg1 -12.2V
Ia 100mA

測定結果は250Vで113mAで充分流れてます。

真空管入門者の私にとって今回の実験大変勉強になります。
特に各電圧が特定の領域でセンシティブな事が分かりました。


[16143] Re6:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/13 (月) 08:51:33 好事家HomePage
__ / __

▼ こいしさん
有益な情報ありがとうございます。

>  1,真空管の寿命、劣化について
>    https://lazyecology.web.fc2.com/reverb/special/choi_lab/15_vaccum_tube_life.html
>
>    上述の「GMでの劣化の予見」にある
> ヒーター電圧を下げて活性度の変化を観測する方法
>    https://d404f203.blog.fc2.com/blog-entry-3.html
>    ※ライフテストとして説明


「ライフテスト」初めて知りました。
ヒーター電圧も定電圧電源で0.01V単位で設定出来ますので是非ともやってみたいです。


[16138] Re5:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/12 (日) 22:39:07 ED
__ / __

▼ 好事家さん

> あれからHickok800を使用した6CA7の測定実績?を調べました。
> 余計分からなくなりました。(^^;)


Hickok800について、色々調べていただきありがとう
ございます。

私もこの測定機は見よう見まねで使っている状況で、
測定の達人レベルではありませんが分かっていること
を書いてみます。

先ず入手したHickok800は、信頼できる?球露屋さんが
校正したもので、標準の電圧値にはなっているハズです。

AC電源については、電圧変動に対応できるように電源
トランス一次側に巻線ボリュームが直列に入っています。

従って、LineTest時にこのボリュームを調整して中点
に設定できれば、AC電源が100Vでも115Vでも測定値は
変わらないということになります。

それから、電源トランスの容量ですが、真空管試験機
としては大型のものが使われているようです。

しかし、流石にKT88や6550の測定になると、電圧降下
でやや低めに測定結果が出るようです。

試しに、拙宅で1年ほど使った6550の測定をして見たら
、gmは8500〜9500mA/V程度(新品11000)になり、ほぼ
予想通りでした。

問題のEL34についてですが、この球も新品のgmは11000
なので、7500ということはgmが68%まで低下している
ことになります。

それでHickok800のGood判定は、「まだ使えるけど交換
時期に近づいている」となったのだと思います。

それから、Hickok800の管種毎の設定データ表にある
MUT.COND(相互コンダクタンス)についてですが、
これは新品時のgmではなくて、GOODとREPLACEの中間点
を示しているようです。

EL34ではこの値が6000で、メーターの中間点が6000に
なるようにENGRISH値を指定しているのではないかと
推測しています。

真空管のGOOD判定とgm測定の違いを知らずに、さらに
私も誤解したメータースケールの見間違いにより、
3つのサイトの測定値がバラバラになっているのだと
思います。




[16140] Re6:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/12 (日) 23:04:04 好事家HomePage
__ / __

▼ EDさん
> 先ず入手したHickok800は、信頼できる?球露屋さんが
> 校正したもので、標準の電圧値にはなっているハズです。


これについては是非ともEDさんご自身で確認された方が宜しいかと思います。
各電圧測定については細かい手順が有りますので面倒ですが..。

> 問題のEL34についてですが、この球も新品のgmは11000
> なので、7500ということはgmが68%まで低下している
> ことになります。


今後5極管接続での測定を予定しています。

> 真空管のGOOD判定とgm測定の違いを知らずに、さらに
> 私も誤解したメータースケールの見間違いにより、
> 3つのサイトの測定値がバラバラになっているのだと
> 思います。


こちらではすべて定電圧電源を使用し測定していますので、精度はそれほど悪くは無いと思います。
EDさん・こいしさんのコメントを参考にデータをとりたいと思います。


[16142] Re6:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/13 (月) 08:38:07 好事家HomePage
__ / __

▼ EDさん
> 先ず入手したHickok800は、信頼できる?球露屋さんが
> 校正したもので、標準の電圧値にはなっているハズです。


これについてはかなり?です(^^;)
店舗を持たない通販専門店、調整・測定が出来るのかなあ?
ヤフオクで球露屋さんから現在Hickokの真空管試験機が3台出ています。

「不具合を球露屋で適当ながら整備し繊細に動作致します。」

理解に苦しむ説明文です。

「調整幅がないのでオマケで球露屋で改造したステップアップ電源をお付け致します。」
3台中2台に昇圧トランスをオマケに付けてます。

電圧不足で中点に合わす事が出来なかったのでしょうか?

> AC電源については、電圧変動に対応できるように電源
> トランス一次側に巻線ボリュームが直列に入っています。
>
> 従って、LineTest時にこのボリュームを調整して中点
> に設定できれば、AC電源が100Vでも115Vでも測定値は
> 変わらないということになります。


これで問題が無ければ前述の様な各ポイントの電圧チェックは不要になりますが...
実際のキャリブレーションはかなり厳密です、電圧計は正確に1000Ωの物を使い、DMMでしたら並列に抵抗を入れる。
電源はAC120Vの定電圧電源を用意し間に絶縁トランスを入れる。
チェック・調整個所は多岐にわたります。
メーカーは整流管を交換したら再度校正するように指示していますから、電源電圧にはシビアです。

下記のリンクを見ても面倒くさいのは想像できます。
http://amp8.com/amp-etc/v-tester/600a.htm#ef



[16155] Re7:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/15 (水) 21:02:57 ED
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▼ 好事家さん

> > AC電源については、電圧変動に対応できるように電源
> > トランス一次側に巻線ボリュームが直列に入っています。
> >
> > 従って、LineTest時にこのボリュームを調整して中点
> > に設定できれば、AC電源が100Vでも115Vでも測定値は
> > 変わらないということになります。
>
> これで問題が無ければ前述の様な各ポイントの電圧チェックは不要になりますが...


LineTestで電源トランス一次側の電圧を調整するのは、
AC電源の電圧が変動しても直列抵抗でドロップして
これを吸収することになります。

従って、これをすることで電源電圧の変動により測定値
がブレるのを抑える機能です。

一方で、その他のキャリブレーションは、テスト結果
が正確になるように動作環境を整える機能で別物です。


[16171] Re8:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/16 (木) 13:40:24 好事家HomePage
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▼ EDさん
> > > AC電源については、電圧変動に対応できるように電源
> > > トランス一次側に巻線ボリュームが直列に入っています。
> > >
> > > 従って、LineTest時にこのボリュームを調整して中点
> > > に設定できれば、AC電源が100Vでも115Vでも測定値は
> > > 変わらないということになります。
> >
> > これで問題が無ければ前述の様な各ポイントの電圧チェックは不要になりますが...
>
> LineTestで電源トランス一次側の電圧を調整するのは、
> AC電源の電圧が変動しても直列抵抗でドロップして
> これを吸収することになります。
>
> 従って、これをすることで電源電圧の変動により測定値
> がブレるのを抑える機能です。


やっと話が見えてきました、添付図の丸で囲んだR1 150ΩがLineTestですね。
図右側のダイヤルはAC100Vまでは目盛りが無いですね。
このため国内で使用する場合は調整幅を超えて中点にならない場合があると。

> 一方で、その他のキャリブレーションは、テスト結果
> が正確になるように動作環境を整える機能で別物です。


こちらは、測定値の精度を本来の状態にするために必要な作業という事になりますね。



[16177] Re9:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/18 (土) 09:49:29 ED
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▼ 好事家さん

> やっと話が見えてきました、添付図の丸で囲んだR1 150ΩがLineTestですね。
> 図右側のダイヤルはAC100Vまでは目盛りが無いですね。
> このため国内で使用する場合は調整幅を超えて中点にならない場合があると。


LinetestのVR調整で、電源トランス一次側に供給する電圧を98V
程度にしているようです。

拙宅のAC電源は100V丁度位の電圧になっていますが、少しだけ
このVR回転角度に余裕があります。

この電源配線図をみると分かる通り、AC電源側の電圧が高いと
VRの抵抗値が大きくなってレギュレーションが悪くなるので、
AC電源電圧は調整可能な範囲でできるだけ低いほうが良いと
いうことです。

Lintestで調整可能なAC電源電圧になっているのに、わざわざ
ステップアップトランスを使うのはどうかと思います。


[16183] Re10:真空管の寿命について考える(5)返信 削除
2023/3/21 (火) 09:47:33 好事家HomePage
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▼ EDさん
> Lintestで調整可能なAC電源電圧になっているのに、わざわざ
> ステップアップトランスを使うのはどうかと思います。


LinetestのVR調整で調整できる範囲の電源電圧であれば、ステップアップトランスが不要である事を理解しました。

ただし個別の調整が出来ていないと本来の精度は発揮出来ない理由も分かった気がします。
Hickok800の電源部の回路図を見ると、左上の赤丸部分がLinetestのVR調整で一次側の電圧を調整します。
調整時に見るのは右上緑丸の直流電流計です、茶丸のP7スイッチを押した時に左青丸の整流管で直流にされた電流が電流計に流れる仕組みでしょうね。
この時どちらか一方の整流管出力電圧を利用しているので、調整される一次側電圧は整流管の劣化度合いで変化します。
そしてもう一方の整流管の劣化度合いも連動せずに進みます。
またヒーター電圧やバイアス電圧に付加されるAC2.5Vは整流管劣化の影響は受けませんが、一次側の電圧が変更されると変わってきます。
整流管交換後は再度各調整が指示されているのもこの為だと思います。

一度正確に調整し、定期的に各電圧確認するのが良いと思います。(アンプのバイアス調整みたいに)


[16151] 真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/14 (火) 12:44:54 好事家HomePage
__ / __

EDさんから指摘の有りました件について

>ところで、6CA7三結のEP-IP特性を実測されていますが、
>Hickok800は5極管接続で測定していて、測定条件が全く
>違うので比較はできないと思います。


ずっとテストに使っているShuguang EL34-Bの真空管のデータと比較しました。
https://ja.aliexpress.com/i/521593225.html

5極管接続で測定してみました。
結果は健康そうです。




[16152] Re:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/14 (火) 13:23:45 好事家HomePage
__ / __

gmも測定してみました。
350Vで10.5mA/Vでした。

今度はシーメンスのEL34の測定にかかる予定です。


[16153] Re2:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/14 (火) 14:20:02 好事家HomePage
__ / __

> 今度はシーメンスのEL34の測定にかかる予定です。

SIEMENSの規格表が見当たらないのでムラードで代用

シーメンス EL34の4本中、Hickok800では一番悪い評価の球でテストしました。

gm 10mA/V

これも大丈夫そうです。


[16154] 真空管の寿命について考える(7)返信 削除
2023/3/15 (水) 08:14:10 好事家HomePage
__ / __

これまでの流れを見て、手持ちの真空管の健康度合いを電気的観点から調べてみたいとお考えの方へ。
方法としては、
1.信頼できる業者等へ調査委託
2.真空管試験機購入
3.試験機自作
2.を検討される場合は事前に一読されることをお勧めするサイトが有ります。
「真空管試験器修理テクニックと部品販売」
http://tubetesters.blog9.fc2.com/?date=201502&page=0
国内ではかなり整備の実績が有るようです。
こちらで「恐らくは世界一の「真空管試験器の修理・補修・整備」の専門家」と紹介されている方のサイト
http://www.alltubetesters.com/about.htm
特に役に立ちそうな記事
http://www.alltubetesters.com/articles.htm
「ガイド: どのチューブテスターを入手すればよいですか?」
http://www.alltubetesters.com/articles/tester_guide.htm
「サービステスターでチューブを正確にテストする方法」
http://www.alltubetesters.com/articles/howto_test_tubes.htm

テストの精度における主な問題:
・正常に機能し、正しく校正されたチューブテスター
・正しい AC ライン電圧
・バイアス電圧、ACヒーター(フィラメント)電圧、感度、ENGLISH、メーター シャント、および校正コントロールの適切な設定
・テスト信号レベル

精度についてはお勧めの機種が適正に校正されていても、±10から15%程度の誤差があります。
かなり充実した内容ですので是非ともブラウザの翻訳機能を活用して一読される事をお勧めします。



[16156] Re3:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/15 (水) 21:36:59 ED
__ / __

▼ 好事家さん

> gm 10mA/V
>
> これも大丈夫そうです。


gm値をどのようにして算出されましたか。

gm値を測定するには、プレート電圧を一定にし、
グリッドバイアス電圧を数ボルト程度変動させて
プレート電流の変化を読み取る必要があります。

EL34ではプレート損失を超えないように動作点を
考えると、以下のようにすれば良いと思います。

P電圧:150V
SG電圧:130V
G電圧:-15V(動作点)
P電流:60mA(推測)

この動作環境で、G電圧を-12Vと-18Vに変動させて
そのときのP電流値を読み取ります。

P電流が90mAと30mAになったとすると、

 gm=(90mA-30mA)/(18V-12V)=10mA/V

になって、gm値は10000μA/Vになります。


[16157] Re4:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/15 (水) 23:26:54 好事家HomePage
__ / __

▼ EDさん
> > gm 10mA/V
> >
> > これも大丈夫そうです。
>
> gm値をどのようにして算出されましたか。



[16153] の書き込みに添付の青文字の所で条件を記載しています
Va  250V
Vg2 250V
Vg1 -12.2V±1.0

gm=(97mA-77mA)/(13.2-11.2)=10mA/V
でした。

> gm値を測定するには、プレート電圧を一定にし、
> グリッドバイアス電圧を数ボルト程度変動させて
> プレート電流の変化を読み取る必要があります。
>
> EL34ではプレート損失を超えないように動作点を
> 考えると、以下のようにすれば良いと思います。
>
> P電圧:150V
> SG電圧:130V
> G電圧:-15V(動作点)
> P電流:60mA(推測)
>
> この動作環境で、G電圧を-12Vと-18Vに変動させて
> そのときのP電流値を読み取ります。
>
> P電流が90mAと30mAになったとすると、
>
>  gm=(90mA-30mA)/(18V-12V)=10mA/V
>
> になって、gm値は10000μA/Vになります。


その条件ですと、-12Vの時電流がオーバーでプロテクトがかかります
また-18Vですとほとんど電流が流れません

参考までにVg1 -14.5V 110mA
       -15.0V 70mA
-15.5V 40mA
-16.0V 25mA

となっています。



[16168] Re5:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/16 (木) 12:06:03 好事家HomePage
__ / __

▼ EDさん
ムラードの規格表に則ってVg2=250Vの5極管データを添付しました
測定したのはSIEMENSのEL34です。

やっぱり問題無さそうなんですよね...



[16169] Re6:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/16 (木) 12:13:37 好事家HomePage
__ / __

▼ EDさん
グラフにするとこんな感じです


[16170] Re7:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/16 (木) 13:02:54 好事家HomePage
__ / __

補足説明

Shuguang EL34の3結の測定の時は電流測定にSANWAのマルチメータCD771を直列にいれていたのですが、配線を簡略化の目的で途中から電源内蔵の電流計を使用していました。
しかしながら5極管接続では電流の変化が少なく、内蔵の電流計がmA単位でしか表示されないので今回の測定から別のマルチメータを直列に挿入して測定しています。
ADVANTESTのマルチメータ AD7451AはDC300mAレンジで端子間抵抗が1.5Ω、追加接続のため配線経路も長くなり接点も増えたので以前と比較して測定時の電流値がやや減っています。


[16174] Re7:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/16 (木) 15:15:56 好事家HomePage
__ / __

補助線が有る方が数値を読み取りやすいのですね。


[16175] Re8:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/16 (木) 22:07:44 ED
__ / __

▼ 好事家さん

この図を使って、gmを算出してみました。

動作点は、Hickok800の設定値に近いところを
使って以下のポイントを使いました。
 Ep=150V
 Eg=-15V
 Ip=52mA

このポイントは、実際の五極管接続A級動作で
使えそうなところなので、現実的でもあります。

Ep-Ip曲線は、+3Vと-2Vで多少Egの振れ幅が違い
ますが、gm測定では問題にならないでしょう。

Eg=-18V Ip=32mA
Eg=-13V Ip=70mA

gm=(70mV-32mV)/(18V-13V)=7.6mA/V

Hickok800の測定値7500μA/Vとほぼ一致します。

ただ、Egが0V〜-10Vの測定出来ていない領域では
gm値は違ってくるかもしれませんね。


[16176] Re9:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/17 (金) 20:29:01 好事家HomePage
__ / __

▼ EDさん
> 動作点は、Hickok800の設定値に近いところを
> 使って以下のポイントを使いました。
>  Ep=150V
>  Eg=-15V
>  Ip=52mA
>
> このポイントは、実際の五極管接続A級動作で
> 使えそうなところなので、現実的でもあります。
>
> Ep-Ip曲線は、+3Vと-2Vで多少Egの振れ幅が違い
> ますが、gm測定では問題にならないでしょう。
>
> Eg=-18V Ip=32mA
> Eg=-13V Ip=70mA
>
> gm=(70mV-32mV)/(18V-13V)=7.6mA/V
>
> Hickok800の測定値7500μA/Vとほぼ一致します。


Hickok800のGRID SIGNAL電圧はAC2.5Vのようなのでピーク約3.5V、Eg=-15Vの場合-11.5Vと-18.5VでIpを測定しますと,

Eg=-18.5V Ip=29.0mA
Eg=-11.5V Ip=84.1mA
gm=(84.1mV-29.0mV)/(18.5V-11.5V)=7.87mA/V

ちなみにEp=350Vの時は
Eg=-18.5V Ip=34.4mA
Eg=-11.5V Ip=94.6mA
gm=(94.6mV-34.4mV)/(18.5V-11.5V)=8.6mA/V

私のアンプはEp=360V
他のEL34の作例を見ても150Vあたりでの使用例は見当たらず、大体350V以上が普通のようです。

Ep=150Vで判断する事自体に違和感を感じるのですがどうなんでしょうね?


[16178] Re10:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/18 (土) 10:16:41 ED
__ / __

▼ 好事家さん

> 私のアンプはEp=360V
> 他のEL34の作例を見ても150Vあたりでの使用例は

見当たらず、大体350V以上が普通のようです。

ソフトンさんのこのアンプは出力段が差動なので、
必ずA級動作になっているはずです。

そしてカスコードになっていて、球とFETが直列に
接続されているので実際のEpは300V程度で、P損失
25Wを考えるとIpは70mA程度の動作ではないかと
推測します。

>
> Ep=150Vで判断する事自体に違和感を感じるの

ですがどうなんでしょうね?

EL34の規格表を見ると、Ep=250V、Eg=-13.5V、
Ip=100mA時にgmが11000になると読み取れます。

できるだけ正確に測定するのなら、この値を使う
べきだと思います。

しかし、真空管測定機は測定時の球への負担や
色々な管種への対応を考えて低めの電圧に設定
しているようです。

そもそも、真空管そのものが新品時でもgm値が
10%程度の誤差は普通で、20%以上の誤差もまれ
ではありません。

gm測定を厳密にすることは難しいですが、主な
目的が真空管の寿命の目安やPPアンプで使う球の
増幅度バランスを取ることなのでアバウトでよい
と考えています。


[16179] Re11:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/18 (土) 20:05:20 好事家HomePage
__ / __

▼ EDさん
> そしてカスコードになっていて、球とFETが直列に
> 接続されているので実際のEpは300V程度で、P損失
> 25Wを考えるとIpは70mA程度の動作ではないかと
> 推測します。


それでも150Vの倍ですからスッキリとはしませんねー。

> EL34の規格表を見ると、Ep=250V、Eg=-13.5V、
> Ip=100mA時にgmが11000になると読み取れます。
>
> できるだけ正確に測定するのなら、この値を使う
> べきだと思います。


Ep=250Vには同意です。

> しかし、真空管測定機は測定時の球への負担や
> 色々な管種への対応を考えて低めの電圧に設定
> しているようです。


先日紹介しました米国のスペシャリストが非常に優れたテスターとして評価しているHickok TV-2はEp 250Vまで対応しています。
詳しい事は以下のHPを見ると分かりやすいです。
http://amp8.com/amp-etc/v-tester/tv-2b-u2.htm#ee
そしてGrid Signal VoltageがA,B,CポジションでAC 0.25V、DでAC 0.5V、EでAC 2.5Vと設定出来ます。
Hickok TV-2での各種真空管での設定リストは以下の場所からダウンロード出来ます。
https://bama.edebris.com/download/military/tv2u/tb11-2661-1.PDF
6CA7は11ページの上から4番目です。
プレート・スクリーンは250V、バイアスは13.5V、GM.SIGがBですからAC 0.25V(ピーク約0.35V)。
ここまで分かれば早速その条件で測定します。(シーメンス EL34))
Eg=-13.15V Ip=77.5mA
Eg=-13.85V Ip=70.6mA
gm=(77.5mV-70.6mV)/(13.85V-13.15V)=9.86mA/V

> そもそも、真空管そのものが新品時でもgm値が
> 10%程度の誤差は普通で、20%以上の誤差もまれ
> ではありません。


そして調整された真空管測定器の誤差が10%から15%あるとなれば、診断結果でリプレース判定されても...(^^;)


[16180] Re12:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/18 (土) 23:45:05 ED
__ / __

▼ 好事家さん

TV-2は初めて見ましたが、測定条件を変えることが
できるようで凄い測定機ですね。

ただ、測定用の真空管アンプを内蔵しているので、
キャリブレーションが大変そうです。

TV-2の測定データを使ってgmを再測定されていますが、
Epを高くほどEP-IP特性曲線の縦軸の幅は広がる傾向
なのでgm値が大きくなるのは納得です。

ただ少し気になるのは、中華球のゲッターが管壁を
垂れ下がるように付いていることから2000時間程度
使っているものではないかと推測しています。

この状態で、gm=9.86mA/Vはあまりにも良すぎるような
気がします。

真空管規格表ではgm測定時のグリッド信号電圧が記載
されてなくて、この値が小さいほどgmは高くなる傾向
があるのでこの差が出ているのかもしれません。

恐るべし中華球!!

一つだけ気になる点がありますが、Ipの測定はプレート
とB電源間に入れていますでしょうか。

カソード側に入れると、p電流にsg電流が乗って測定値
が変わってしまいます。

> そして調整された真空管測定器の誤差が10%から
>15%あるとなれば、診断結果でリプレース判定されても...(^^;)


真空管の寿命は、gm測定結果は一つの目安であって、
真空管の焼け具合やゲッターの付き具合、そして音
を聴いて総合的に判断することになります。

それにしても、今回の考察で真空管試験機の特性が
良く分かり、使いこなしで役立ちそうです。

真空管測定機の情報や球の実測データを提供して
いただき、ありがとうございました。


[16181] Re13:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/19 (日) 08:38:17 好事家HomePage
__ / __

▼ EDさん
> TV-2は初めて見ましたが、測定条件を変えることが
> できるようで凄い測定機ですね。


トランスも2個内蔵です、3個内蔵の測定器も他に有るようです。

> ただ少し気になるのは、中華球のゲッターが管壁を
> 垂れ下がるように付いていることから2000時間程度
> 使っているものではないかと推測しています。
>
> この状態で、gm=9.86mA/Vはあまりにも良すぎるような
> 気がします。


>>ここまで分かれば早速その条件で測定します。(シーメンス EL34))
>>Eg=-13.15V Ip=77.5mA
>>Eg=-13.85V Ip=70.6mA
>>gm=(77.5mV-70.6mV)/(13.85V-13.15V)=9.86mA/V


と書いて有りますようにシーメンス EL34での測定です。(今後中華球でもやってみますけど)

> 真空管規格表ではgm測定時のグリッド信号電圧が記載
> されてなくて、この値が小さいほどgmは高くなる傾向
> があるのでこの差が出ているのかもしれません。


>>そしてGrid Signal VoltageがA,B,CポジションでAC 0.25V、DでAC 0.5V、EでAC 2.5Vと設定出来ます。

と書いてありますように、グリッド信号電圧はGM.SIGがBポジションですからAC 0.25V(ピーク約0.35V)です。

> 一つだけ気になる点がありますが、Ipの測定はプレート
> とB電源間に入れていますでしょうか。
>
> カソード側に入れると、p電流にsg電流が乗って測定値
> が変わってしまいます。


高圧定電圧電源(350V)はEp用、Eg2用に同じ物を2台使い、マルチメータADVANTEST D7451Aを2台で真空管端子直前でIpとIg2を測定しています。
Eg1用の電圧が出力されると同時に2台の高圧電源が連動して出力される様にちょっと改造しています。

> それにしても、今回の考察で真空管試験機の特性が
> 良く分かり、使いこなしで役立ちそうです。


今回の件で真空管特性測定のシステムを構築する事が出来ました。
定電圧電源計4台と大掛かりですが再現性はかなり高く、寝る前に測定途中で電源を落とし翌日に再開しても誤差は殆ど有りません。
C電圧が0.01V単位で設定出来るため、かなり精度が高くなったと思います。


[16182] Re13:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/20 (月) 13:33:20 好事家HomePage
__ / __

▼ EDさん
> ただ少し気になるのは、中華球のゲッターが管壁を
> 垂れ下がるように付いていることから2000時間程度
> 使っているものではないかと推測しています。


写真を添付しました、4本ともこんな感じです。

> この状態で、gm=9.86mA/Vはあまりにも良すぎるような
> 気がします。


Hickok TV-2の6CA7における設定指示に合わせて中華球を測定してみました。
プレート・スクリーンは250V、バイアスは13.5V、GM.SIGがBですからAC 0.25V(ピーク約0.35V)。
真空管No.1
Eg=-13.15V Ip=87.2mA
Eg=-13.85V Ip=77.8mA
gm=13.4mA/V

真空管No.2
Eg=-13.15V Ip=82.6mA
Eg=-13.85V Ip=73.7mA
gm=12.7mA/V

真空管No.3
Eg=-13.15V Ip=87..0mA
Eg=-13.85V Ip=79.1mA
gm=11.3mA/V

真空管No.4
Eg=-13.15V Ip=77.3mA
Eg=-13.85V Ip=68.7mA
gm=12.3mA/V

> 恐るべし中華球!!

まさにその通り!見た目や銘柄で判断するだけでは充分ではありません。
以前おこなった空気録音のブラインド試聴比較が良い線いってたのでは?

以下のHPではほぼ同じ中華真空管がEg=-14.5Vでかなり高いgmになってます。
http://amp8.com/amp-etc/v-tester/el34b.htm

ここでも、「いとおかし」ですね。


[16185] Re14:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/22 (水) 23:16:49 ED
__ / __

▼ 好事家さん

> > 恐るべし中華球!!

あの中華球が新品gmの120%もあるとは、信じられない
ような結果ですね。

> まさにその通り!見た目や銘柄で判断するだけでは充分ではありません。
> 以前おこなった空気録音のブラインド試聴比較が良い線いってたのでは?


これは、ゲッターの付き具合と、低域がぼやけていて
立体感が出にくい音色、gm測定結果を見てそろそろ
交換の次期が近づいているのではと思った次第です。

gmを規格表の動作条件に近づけて正確に測定されるまで、
元気でピンピンだとは気が付きませんでした。

さらに悩ましいのはHickok800の測定結果で、規格表の
動作条件より低いEpで測定しているため大きな誤差が
出たようです。

電圧増幅管のgm測定では、Hickok800のEp=150V程度で
良さそうですが、大型出力管では250Vで測定する必要が
ありそうです。

具体的には、規格表のEp-Ip特性曲線から150Vと250V
付近のgmの比を算出しておいて、測定結果にこの倍率を
掛けて評価することになると思います。

6CA7のEp=150Vでのgmが、Hickok800と好事家さんの
実測値がほぼ同じであったことを考えると、改めて
キャリブレーションをする必要はなさそうです。

ただ、球種が変わっても問題ないかどうかは分から
ないので、時間が取れるときに校正をしてみます。


[16188] Re15:真空管の寿命について考える(6)返信 削除
2023/3/23 (木) 05:21:07 好事家HomePage
__ / __

▼ EDさん
> > > 恐るべし中華球!!
>
> あの中華球が新品gmの120%もあるとは、信じられない
> ような結果ですね。


私も驚きました、4本ともそうですし意外でした。

> さらに悩ましいのはHickok800の測定結果で、規格表の
> 動作条件より低いEpで測定しているため大きな誤差が
> 出たようです。
>
> 電圧増幅管のgm測定では、Hickok800のEp=150V程度で
> 良さそうですが、大型出力管では250Vで測定する必要が
> ありそうです。


> 具体的には、規格表のEp-Ip特性曲線から150Vと250V
> 付近のgmの比を算出しておいて、測定結果にこの倍率を
> 掛けて評価することになると思います。


一つのEpのみで多種の真空管に対応するのは、苦しいですね。
それとバイアス電圧に付加されるAC2.5Vは出力管には大きすぎる気がします。

> 6CA7のEp=150Vでのgmが、Hickok800と好事家さんの
> 実測値がほぼ同じであったことを考えると、改めて
> キャリブレーションをする必要はなさそうです。
>
> ただ、球種が変わっても問題ないかどうかは分から
> ないので、時間が取れるときに校正をしてみます。


個人的にHickok800のキャリブレーションマニュアルを日本語化した物を持ってます。
もし必要であればお知らせ下さい。

INCM/CMT
Cyclamen v3.491
[ut:0.010][st:0.000]