歯科医って悪者?


歯科医師になって仕事を始めて、思ったこと。聞いて不思議と言うか、イヤだなぁと
感じたことは、患者さんの言葉でした。

 患者さん 「歯医者で抜かれちゃったんだよ。」
        「この歯、○○万円も取られたんだ。」
         「私、歯医者、大ッキライなんです。」


あれれ、よっぽど痛い思いをされた経験がお有りなのか?懲りての言葉なのでしょう。
でも、仕事を始めて、相当悪いイメージで見られているのか、私達歯科医師が相当
悪者なのか?それと、酷い仕事をしてきたのか?
詐欺か、障害をしてしまったのか、忌み嫌われるべき人種なのか?
少々被害者意識を感じました。

でも、そんなのイヤです。せめて、「抜いてもらった。」 「支払った、費用がかかった」
と言われる様にしなければならない、と思いました。

インフォームドコンセントと呼ばれて久しいです。十分な説明をし、納得された上での治療
が必要なのは言うまでもありません。ですから、診療室ではあれこれしゃべりまくっている感じ
です。患者さんが多いと、声が枯れてきます。

でも、時に、全く私の独りよがりで、理解されていないことが沢山あるのです。驚く程に

治療の内容が、慣れていない一般の方には、説明不足で理解されないことはあっても、
詳しすぎて問題になることはないんです。けっこう、大変です。

歯科治療と言うのは、商品を見て、試着して、試乗してから購入されるのではありません。
手作りの製品ですから、出来たモノも規格品とは違い、微妙な差があります。
一度装着してしまえば、返品は難しく、保証期間を設定している先生は少ないです。

実際、私のところでも文章化した保証は行っておりません。
キチンと説明され、文章で計画書を渡し、保証内容、期限をうたった保証書を出されている
先生もいらっしゃいます。

私なりに対応させていただいておりますが、まだまだ、自分に甘さがあると言えます。

保険外の治療となると、費用も保険とは桁が違いますので、患者さんも相当信頼してもらって
契約してくださるのだと思っております。

 その期待を私は裏切らなかったか?

 胸に手をあてなくても、分かります。

あの方はどうされただろうか・・・と思い出す人は何十名もいるのです。
大がかりな治療をされた人ほど気になるものです。

装着後、10年以上来られなくて、たぶん、何らかのトラブルが起き、その時私にクレーム
をぶつけるでもなく、憤慨して見切られ、他の先生の診療を仰がれていると思います。

もし、久しぶりにトラブルで来られた時、
「申し訳ありませんでした。」
とお詫びして、リカバー、挽回の機会を与えてもらいたいのですが、既に遅いでしょう。

私どもの診療所での治療が、期待外れだった人。正に先の言葉となって表れたとしても
おかしくありません。

私は、歯科診療をサービス業と思っております。満足と納得、それを提供することは、どうしたら
いいのか?開業医がそれぞれ独立して存在しておりますから、評価を公正にすることが難しい
点もあります。

歯科医師は悪者?

医療費改正の前後に意図的?に悪いニュースが公表される、なんてことも感じます。
でも、結局は

 評価は、社会、患者さんがする

のです。真摯に受け止めなければならないと思っております。